【忍たま】事務員兼何でもお助けピンチヒッター係って何だよ？！その17(夏編)

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間切『不安にさせて申し訳ありません。私は、Aさんの事を1度たりとも苦手、嫌いなどとは思ったことはありません。その、何と言うか…女性と接する機会がなかなかないもので、緊張してしまって…誤解を生む態度を取ってしまいすみません…』

女性だから緊張をするという言葉に嘘は無い。
しかし、本当は好いている彼女と言葉を交わす事に緊張をしているだけの間切は最後の方が何処か歯切れが悪いし、またもや目線をあちこちに泳がせている。
だが、彼女は彼の言葉を聞いて嘘は無いと感じたのか伏せていた目をゆっくりと上げ間切を見つめた。
それと同時に間切も彼女に目線を移す。
2人の視線が交差すると、彼女はそれは嬉しそうに微笑んだ。

「嫌われてないって分かって安心しました。あの…せっかく同い歳ですし、お互いに敬語をやめませんか…？そうしたら接しやすくなると思うんですけど…どうですか？」

上目遣いの彼女を直視した間切は思わず頬を赤く染めあげる。
ここでダメだなんて言える男が居るだろうか、否、いる訳がない。

間切『……分かった。慣れるまではたまに敬語が出るかもしれなが、それでも良いなら』

「ありがとうっ。あ、じゃあ、間切くんって呼んでも良い？私のことも呼び捨てで呼んで欲しいな」

自ら進んで自分の名前を呼び捨てで呼んでくれと言う彼女を見たのは初めてな面々は驚きを隠せない。何せ、今までは呼び捨てで呼ぼうものなら顔を真っ赤にさせ、暫くの間恥ずかしそうにしているのだから。
お酒の力で羞恥もどこかへ吹っ飛んでいったらしい彼女は期待の眼差しで間切を見つめる。

間切『そ、それはっ…あ、いや、その…A、で良いのか…？』

面と向かって話すこともままならない上に、敬語もなしでおまけに呼び捨てだなんて難易度がどんどん上がっている気がする彼は少し躊躇うが、これ以上彼女に悲しい顔はさせたくない気持ちの方が上回りグッと言葉を飲み込んだあと、おずおずと口を開く。

「うんっ！間切くん、改めてよろしくね」

彼女にとって、同い歳の友人が増えた事への喜びが大きく嬉々としていた。
そんな彼女の表情や態度を見て間切は思わず頬を綻ばせる。早くこうしていれば彼女との距離は今ごろもっと縮まっていたのだろうか、なんて思いながら。

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