【忍たま】事務員兼何でもお助けピンチヒッター係って何だよ？！その17(夏編)

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「あのー…私そろそろ行かないと…」

土井『あー…そ、うだったな…すまん』

暫くの間お互い無言でいたが、いつまで経ってもうんともすんとも言わない土井先生に痺れを切らした私は声を掛ける。
すると土井先生は軽く息を吐き出しながら私の目を覆っていた手をゆっくりと離した。
恐る恐る彼の顔に視線を移すが、何事も無かったかのような素振りを見せ、私を見て軽く微笑んでくれる。
一体何だったんだろう、その理由を聞く勇気はないから黙っているけどさ。

「えっと、じゃあ少しの間お借りしますね」

土井『ん？あ、あぁ…返すのはいつでも良いから。じゃ、気を付けて行っておいで』

そう言いながら片手を挙げて去って行く土井先生に私も軽く手を振る。
マジでなんだったんだ今の時間。…まぁ、深く考えないようにしよう！
皆を待たせてるからとりあえず急ごっと。

そう思いながら土井先生から借りた半着を落とさないように握り締め水軍館を後にする。
その頃の土井先生はと言うと…

山田『何だ半助、着替えて来たのか？』

土井『え？！あ、いえ…その、ちょっと暑くて…あはは…』

野村『そう言えば…先程、見覚えのある半着を身に付けたAさんが海へ走って行く姿を見ましたね』

土井『の、野村先生？！』

山田『ほう…なるほど、そういうことか』

土井『な、何ですか、山田先生まで…』

山田『半助もまだまだ青いな』

茶化される土井なのでした。
そして私はというと、暑い日差しが照り付ける砂浜を走っていた。何度か足を取られそうになったのは内緒。

「みんなごめーん！お待たせー！」

少し遅くなったことを謝罪しながらみんなの所へ小走りで向かう。
暑さと持ち前の運動音痴で息もからがら。
この世界に来てから少しは体力ついたと思ったんだけど全然そんなことなさそうだな。

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