【忍たま】事務員兼何でもお助けピンチヒッター係って何だよ？！その14(夏編)

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派手に転んだAはその場で顔を上げ引っ掛かった木の根に対して文句をぶつける。しかしそれはAの顔の目の前に偶然居た蛙によって遮られた。
蛙を視界に捉えた途端、動きがピタリと止まるA。次の瞬間、けたたましい叫び声を上げ運動音痴とは思えないくらいの機敏な動きで後ろに逃げる。

「ひっ、ぎ、み"ゃぁああぁああああああ！！！！！！！」

勘右衛門『え、ちょ、待っ…！？』

後ろから追いかけてきていた勘右衛門は突然此方に向かって来るAとの衝突を避けようと走るスピードを弱めたが、無我夢中で走って来るAには勘右衛門がどうやら見えていない模様。Aはそのまま勘右衛門に突っ込んでいき、そのままの勢いで彼を押し倒した。

「かんえもっ、か、かかかかえるがががががががか」

勘右衛門『お、落ち着けってA…どうどう。ま、蛙のおかげで捕まえることが出来たけど』

「ふぇ？………………………………あ」

半泣きになりながら蛙から逃げてきたAは今のこの状況を直ぐに理解出来ず暫く自分の下でにっこり笑っている勘右衛門を見つめポカンとしていた。
両腕をガッチリ掴まれていること、自分が勘右衛門に馬乗りになっていること、周りには兵助、留三郎、伊作が居ること、全ての状況に頭が追いついてくるとハッと我に返り下にいる勘右衛門を見て困ったように笑った。

「あ〜…ははっ…今のナシじゃダメ？」

勘右衛門『だ め』

「だよねぇ〜…あ、でも紐取らないとダメなんでしょ？」

勘右衛門『それなら兵助が』

「んぇ？」

兵助『ごめんね、Aさん。紐は貰ったよ』

Aと勘右衛門が話している間に兵助が彼女の手首につけてあった紐を取っていたようで、兵助は紐を片手に笑っている。

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