【忍たま】事務員兼何でもお助けピンチヒッター係って何だよ？！その11(夏編)

11-22 ページ23

勘右衛門『…さっき医務室からデモシカさんが出てくるのが見えたけど、デモシカさんに何かされた訳じゃないよな？』

「ん"っ」

八左ヱ門『隠し事は良くないぞ。Aのその慌てようは何かあっただろ』

「ん"ん"っ」

雷蔵『…手の甲を気にしているみたいだけど、どうしてだい？』

「ん"ん"ん"っ」

三郎『隠しても無駄だ。お前は分かりやすいから、直ぐにバレることだぞ。大人しく吐け』

「ん"ん"ん"ん"っ」

兵助『包帯に何か付いてるみたいだけど、それってもしかして…』

「うそ！？！！？軽くちゅってされただけなのに…………あ」

慌てて口を押さえるが時既に遅し。
私の言葉にみんなの表情がどんどん黒くなっていく。
鎌をかけたなぁ！！

乱太郎『あ、Aお姉ちゃん目が覚めたんだね！5年生の先輩方もお揃いで…って、ど、どうしたんですか？そんなに怖い顔をされて…』

伏木蔵『わぁ〜…何だかすっごくスリル〜…』

保健委員の乱太郎くんと伏木蔵くんが竹ざるに薬草を摘んで医務室に入って来た。そして5年生に詰め寄られている私を見るなり眉を八の字に下げる。伏木蔵くんはワクワクしている感じがするけど。
すると5年生はそんな二人に声を揃えてこう告げた。

5年生『今すぐAの手の包帯を替えてくれ！！』

乱太郎『え…でも、包帯はさっき替えたばかりですよ？』

三郎『良いから早く替えるんだ。ついでに消毒もしてくれ』

伏木蔵『え…そんなに何回も消毒をしたらA先輩の手がガサガサになっちゃいますけど良いんですか？』

伏木蔵くんがそう言うと5年生はグッと押し黙った。
包帯を替えるだけでいいと譲歩してもらったのだが、何故替えなければならないのか分からない私はずっと首を傾げていた。
包帯を替えたところで出茂くんにされた行為は忘れることが出来ず暫くの間手の甲を見る度に顔を赤くしていたのであった。

11-23→←11-21

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す