【忍たま】事務員兼何でもお助けピンチヒッター係って何だよ？！

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「うーん、でも…やっぱり悪いよ。お礼してもらうようなことしてないし。仙蔵くんの時間貰うのも申し訳ないし」

お礼欲しさに手伝ってもいないし、私自身、この学園のことを少しでも知ることが出来て嬉しかったのは紛れもない事実だから、再度断る。

仙蔵『そんなことを気にしているのか。それだと、今日はAの時間を貰った事になるが？…ふむ、ならばこうしよう。私がAの時間が欲しい』

そう言いながら仙蔵くんは1度立ち止まり、私に向き直る。私もそれにつられて立ち止まった。すると、仙蔵くんの手がスっと伸びてきて私の髪をひと房掬う。その仕草に不覚にも胸が高鳴ると同時に頬が熱を帯びる。

仙蔵『もう一度言う。Aの時間を私にくれないか？』

柔らかい笑みを浮かべながら私を真剣に見つめる仙蔵くん。胸の鼓動が早くなりとてもうるさい。

「あ…う…わ、分かった…私の時間でいいなら…」

あまりの恥ずかしさにどうにかなりそう。
恥ずかしさから目を合わせることが出来なく、視線を逸らし答える。

仙蔵『ありがとう。では、時間が出来たらまた声をかける。楽しみにしているぞ。それから、髪が解けているから結い直すといい』

満足そうに笑みを浮かべた後、私からゆっくりと離れ仙蔵くんは颯爽と歩いていく。
私は暫くその場から動くことが出来ずに、小さくなっていく彼の後ろ姿をただ見つめていた。

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