トリプルフェイス？いえ、ツウェルブフェイスです( ・`д・´)←【名探偵コナン】3

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ジンside


そいつは初めて出会った時から気になっていた。

その金のように光る髪にも触れたいと思ったし、その青い目を俺で一杯にしてやりたいとも思った。

十数年振りに出会ったそいつは昔見た姿とは真反対の色彩を纏っていた。

無機質な銀の髪に血のような赤の瞳。

何かを隠しているように見えた。

普段の俺だったら、即座に殺していたであろう。

能力が全てにおいて人の上に立つ奴を何の調べもなく組織に入れることは危険だ。

銀の弾丸になる恐れだってある。

ただ、俺には出来なかった。

その場で捕まえて、俺のそばに置いておきたかった。

組織に入って、奴はしっかり仕事をしてくれた。

が、奴だけは黒に染まっていない節がある。

決して侵すことの出来ない信念を常に持っているような気がした。

ある日、奴はあの方に呼び出された。

あの方に呼び出されて生きて帰ってきた者はいない。

酷い喪失感を覚えた。

俺は戸惑った。

とうの昔にそんな感情は捨てたはずだったから。

奴が生きて帰ってきた時には、その命を感じたくて強く抱きしめた。

こちらの心配もよそに、奴はケロッとあの方から[No.x]の地位ももらい、誰にも邪魔出来ないようになった。

No.xになってから、また何かを隠れながらしている行動が見られた。

俺の知らないお前がいる、そのことに腹が立つ。

奴の存在は日に日に俺の中で大きくなっていった。



腕の良い新入りが3人入ってきた。

優秀過ぎる為、奴を見張りに付ける。

いつの間にか3人と一緒にいるようになった奴は一人の男と仲良くなる。

…気に入らない。

俺以外にその笑顔を見せるのが気に食わない。

こちらが抱きしめてもはにかみすらしないくせに。

なぜ別の男の前では笑うんだ。

奴を3人から引き離し俺の補佐に据える。

そばにいるのに、いつまでも俺を見ない奴に腹が立つ。

押し倒しても驚くだけで頬を染めたりしない。

しまいには俺を蹴り飛ばし、ハニトラだのNOCだと疑っているのだの検討違いのことを喚く。

本当に分かっていない。馬鹿な奴だ。

だが

そんなお前に惚れた俺も馬鹿だな、バレンシア。

これは勘だが、お前は銀の弾丸だろう。

いずれこの組織を壊滅に導く存在だ。

でも、それがお前の望みであれば叶えてやろうと思うのも、俺の愚かさなんだろうな。

組織がなくなってしまったら、ただの一人の男としてお前を欲しいと馬鹿みたいな夢を見るのも。

惹かれてはいけない存在_____俺のバレンシア[お気に入り]

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