赤井家姉弟の一番目、日本の公安警察を志す

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秀一「姉さん。」

『秀。』

上の弟である秀と向き合う。

お互いに何も言わない。

私達が姉弟で年子だからだろうか。

何も言わなくとも同じ翡翠の双眼を見るだけで何が言いたいか分かる。

先に口を開いたのは秀だった。

既に秀の側には一つのスーツケースがある。

秀一「_____アメリカに行く。父さんを探す。」

『了解。父さんを任せたよ。母さんとあの子達は任せて。』

最後に秀の頭を撫でる。

成長期を迎え私よりも少し背が高くなった弟。

髪質も少し変わって、子供の頃の柔らかさはなくなっていた。

『何かあったら相談しなさい。母さんには内緒で手伝うから。』

秀一「姉さんは俺のことをよく分かっているな。」

『大切な弟のことは分かってるよ。』

秀一「………姉さん。」

猫のようにすり寄り、抱きついてくる。

本当は甘えん坊な秀。

吉が生まれてからはあまり甘えてこなかったが、やはり家族から離れるのは寂しいらしい。

あんなに母さんに啖呵切ってたのにね。

『目標は高く持ちなさい。辛くなったらいつでも頼りなさい。私達、家族でしょう?』

秀一「ありがとう、姉さん…。」

『頑張れ。秀なら出来る。』

秀一「あぁ。」

『それじゃあ秀、餞別に私の夢を教えてあげる。』

秀一「姉さんの夢?」

『私の夢は家族を守ること、そしてもう一度父さんに会うこと。その二つの夢の為に___私は日本で公安警察になる。』

静かに秀の目が見開かれる。

『秀はアメリカで父さんを探して。多分、手がかりはそっちの方が多いと思うから。私は日本で母さんと吉,妹を守る。その裏で公安警察として父さんを探す。』

秀一「………姉さんらしいな。」

『お褒めの言葉ありがとう。秀、お互いに頑張ろうな。』

秀一「勿論だ。」

こうして、弟は遠い自由の国,アメリカへ向かった。

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