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転生直後と違い、山は落ち葉でいっぱい。
―転生から数ヶ月。
…正直に言おう。
今の生活、くっそ楽しい。
行事だ受験だに追われていた前世に比べてここはどうだ。
好きなときに寝られる！同じく好きなときに外に出て遊べる！
勉強よりも楽しい。
…まあ不満は二つあるけどね。
不満その一、人間を見ない。
山奥だろうから仕方ないとは思うけど人っ子一人見当たらない。
前世人間のオレは結構複雑な気分だ。
不満その二、これが一番重要だ。
進化できない。
そう！進化！！できない！！！
襲ってくる動物は結構ぶっ倒したはずなのだ。
なのに進化ができない。
レベルが上がる気配もない。
…オレはこのことに対して仮説を立てた。
�〜蠎蠅�ポケモンじゃないから経験値が入らない説。
�△發Δ垢任縫譽戰襪�100だから上がらない説。
オレ的には�△�な。
だってオレから繰り出される技は貧弱なものではなく、割と威力が高いのだ。
ちょうど前にあった大木に向かってエアカッターを叩き込む。
いともたやすくはじかれる…かと思いきや、綺麗な切り口を残し大木は倒れてしまった。
…うん、結果はわかってた。
前の技確認の時にたまたま出会ったイノシシに向かってぶっ放したら首ちょんぱしちゃったからね。
たまたま急所に当たったのかなーと思ってその場を後にしたけど、こう何回も両断できちゃな…
もしレベルが100だったら一生進化できない。
前世だったら歓迎したかもしれないが、ここはあそことは違う。
生き残るために喰らい、弱い者は死ぬ。
食物連鎖の中にいて、そんなわがままは言ってられない。
言ってられない、んだけどなあ…
『キチィ…(はあ…)』
洞窟の中で一人溜息をつく。
そのとき、オレの大きな耳がかすかな音を拾った。
さくさく、さくさく。
誰かが落ち葉を踏みしめて、こちらへやってくる。
息を殺してそいつを観察する。
…人だ。
この世界で初めて会った、人。
190近くの長身に、黒のメッシュが入ったターコイズブルーの短髪。
そして、つり目のオッドアイ。
顔立ちからして17から19あたりだろうか。
その青年はキノコをずっと観察していた。
一分、十分、三十分、一時間…
…こいつ何？
キノコに頭支配されてるの？
こいつを見続けているオレもオレだけどさ！
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作者名：フィナステリド | 作成日時：2023年10月28日 16時
