開久高校購買部!!３【今日から俺は!!】

口紅の意味 ページ31

相良side





俺の目の前で「うーん」と真剣に口紅を選ぶA。




なんでもいいって言ったけどよ、



消耗品でいいわけ？

使い切ったら捨てるようなもんでいいわけ？



俺にはわかんねぇな…



つか、俺が連れてきたんだけどよ。



『ねぇ！これとこれ、どっちがいい？』



なんて


俺の方を向いて口紅の色を見せてくるけどよ


俺には同じ色に見えるんだわ…




相良「あー…どっちでもいいんじゃね？」


『適当だなぁ…さすが相良くん』




おい、地味にディスってんじゃねぇぞこら。




『新色も可愛いんだけどなぁ…』



やっぱいつものかなぁ…

なんて言って真剣な顔しちゃって



お前はほんと何してもマブいお姉さんだな。




と、


俺がAの横顔に見惚れてた時




相良「……これは？」


『ん？』


相良「この色、可愛いんじゃね？」



ほれ、と指さした口紅は

“ 冬の新色 ”と書かれていて。




『わぁ！可愛いかも！』


相良「塗ってみれば？」


『うん！』




Aは嬉しそうに店員のとこに行って

その唇に丁寧に口紅を塗ってもらっていた。



それを見て、自然と口元が上がるのが分かる。





ひとつひとつの行動を見て改めて思うんだよな


……好きだって。




ほんと、不思議だねぇ…


あの包丁女が


今や俺の愛しい人物だってのが。





『相良くん見て！どう？』



どうって言われても答えようがねぇよ。



相良「似合ってんぞ」



どれもお前の美人さを引き立たせてっからよ。

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