開久高校購買部!!２【今日から俺は!!】

看病という名の口付け ページ45

智司side




あの日、


廃神社から相良がAを連れて帰って来た。




あいつらに殴られて怪我こそしてたらしいけど

特別何かされたわけでもなく。



ただ、


どうやら今、あいつは風邪で寝込んでるらしい。




この寒い時期にあんなとこに置き去りにされれば


そりゃ風邪も引くだろうな。





ほんとに、あいつには悪い事をしたと思う。





俺たちのせいで巻き込んだ事と

守ってやれなかった事を



俺は開久の頭としてあいつに謝らなきゃならねぇ。



そう思ってあいつの好物を持って
見舞いに行く事にした。




Aの家を知ってる相良に場所を聞いて


ここまで来たものの。





智司「……出てこねぇな」



部屋のチャイムを鳴らしても返答なし。


もう２、３回鳴らしてもしーんとしたまま。





智司「相良、先に来てるって言ってたよな…」





どっか行ったのか？


いや、

あいつは病人連れ出すようなアホじゃねぇはず。





…………はず。





一抹の不安が過ぎった俺は

申し訳程度にドアノブを回せば、





智司「……開いたな」





女ひとりが住む部屋に

鍵も掛けずに出かけるはずはねぇ。





悪ぃとは思ったけど……お邪魔します。





ゆっくり、玄関へと入る。





………靴あんじゃねぇか、相良の。



居るのに出てこねぇのもおかしな話だな。




まさか襲ってたりしてねぇよな。



いくらAに惚れてるからって



弱ってる女襲うほどあいつはアホでは……





と、思った俺が間違ってた。






部屋に入った俺の目に飛び込んで来たのは


Aの寝込みを襲うオオカミちゃんが1匹。






智司「………………何してんだ、相良」





病人を連れ出すアホではなかったみてぇだけど

病人を襲うアホだったとは………



さすがだな。



お前はやっぱりアホなんだな、相良。

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