what ill is【短編集】 (ページ12)

今日:14 hit、昨日:13 hit、合計:17,944 hit

・ページ12

．

「だかさん、これは？」

緑「ちがう、」

観葉植物たちが小さなベランダに並んで、

だかさんは全部に水が注がれるよう上手に配置する。

洗濯物はもう手遅れだけど、とりあえず取り込めたし、ようやく俺はタオルを取り出してもうだいぶ乾いた髪の毛を拭いた。

「ちゃんと天気予報見とけばよかった」

相変わらず止みそうにない雨に苦笑しながらそう呟くと、タオルを引っ張るだかさん

「ん？」

緑「やる」

「ありがとう」

緑「傘、いつももってるじゃん」

「それがさ、今日に限って違う方持ってったんだよ」

“ 相変わらずだね “

と笑いながらいうだかさんに、もう混乱の色はなくて、ままらなかった会話も流暢に進む

それでも頭上で何度か深呼吸を繰り返すから、だかさんの手が止まったタイミングで振り返って顔を覗き込んだ

緑「わっ、」

「優しいね、かつき」

緑「…え？」

「かつきが優しいから植物が生き生きしてるよ」

緑「洗濯物はダメだったけど…」

「いいよ、やり直すから」

緑「ごめん」

「ほんとだよもぉ」

そう言って俺が笑えば、だかさんも笑った