狐少女は知っている (ページ41)

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ニブい？ページ41

彩side

私は一瞬､お兄ちゃんって実はニブイのかもしれないと思ってしまった

だって反応が遅れてる

奈子といい勝負かもしれない

裕樹「早く話せよ｡練習に遅刻だ｡」

私は､あわてて黒木くんに言われたとおりにお兄ちゃんに言った

するとお兄ちゃんは､ドサッとスポーツバッグをおいて､キッパリ言ったのだった

裕樹「よし､今日は練習をサボる｡さ､駅に行こう｡」

私は自分の耳が信じられなかった

だって､お兄ちゃんがこんなに簡単に動く人だったなんて！

一緒に駅に向かいながら､お兄ちゃんはすごく機嫌がよかった

私はぼーぜんとしていた

私は今まで､お兄ちゃんを誤解していたのかもしれない

そう思った

ひょっとしてお兄ちゃんは私が思ってたよりも本当はとても軽くて明るい人なのかもしれない

実はカモフラージュなのかも､とも思った

いつもニガニガしい顔で私をにらんでばかりいるお兄ちゃんは

もしそうだったら､いつもお兄ちゃんに気を使っているママや奈子や私ってバカみたいじゃない？

そう考えるとくやしかった

んー､本当はどっちなんだろう？

そう思いながら､私の少し前を歩いていたお兄ちゃんをチラッと見た

お兄ちゃんはそれに気づいて､知らんぷりをして横を向いた

うーむ､どっちなのかなぁ