犯人発見? ページ37
貴方side
次の土曜日
授業が終わって、先生が教室から出ていくと若武がサッと立ちあがった
ハーフパンツのポケットに両手をつっこみながら、みんなの前に出てきて、カッコつけて言う
若武「では、マウンテン・バイク盗難事件について諸君の報告を聞こうではないか。」
「まずは小塚から。」
言われて和彦がうなずいて座ったままでみんなを見まわした
小塚「車は、ドイツのバウアー社のミューラーで1990年型。」
「カラーはもちろん深緑色。」
若武「よし。」
そう言った和臣が立花さんを見てするどく言った
若武「立花、記録しろ。」
立花さんは少し焦ったように記録し始めた
若武「次、上杉。おまえの報告は?」
和典はゆっくりと机の上に両肘をついて、指を組んでそこにアゴをのせた
カッコイ〜
和典は慎重な表情で口をひらく
上杉「ビバリーヒルズに一台だけ緑の外車があった。」
「26番5号の家の車らしい。」
わたしたちはいっせいにコクンと息をのむ
上杉「もし事件後に、犯人が車を処分していたとしても、小塚の言った車の写真を手に入れて近所の人に見せればたぶん一致する。はっきりとした証拠だ。」
のめりこむように和臣は和典を見すえた
若武「じゃあ、26番5号の家の誰かが犯人ってわけだな。」
上杉「それはわからない。」
和典が静かに答えた
上杉「犯人は別にいて、この家の人間は車を貸しただけなのかもしれない。」
そこに黒木が
黒木「それにしても共犯だろ。26番5号の連中の家族構成は?」
上杉「両親に大学生の息子がひとり。」
「なんだけど、ビバリーヒルズのウワサでは父親は今年の一月から仕事で大阪に転勤。」
「母親もついていって、今いるのは息子だけらしい。」
おっ
黒木も目を光らせた
黒木「あやしいな。」
和彦もうなずいた
小塚「ん、それってなんでもできる環境じゃん。」
和臣が大きく息を吸いこんで言った
若武「よし、ビバリーヒルズに調べに行こう。決行は明日!」
そんなノリにのっている和臣に和典がちょっとため息をついて和彦を見た
上杉「あー、ダメ。オレと小塚は、三谷がある。」
三谷っていうのは三谷大塚進学教室のことらしい
若武「でも一日中じゃないだろ。」
和臣はふてくされながら言う
若武「何時に帰ってこられる?」
「おまえたちに合わせるからさ。その時間に集合して行こうぜ。」
「場所もおまえたちが選んでいい。」
アハハ...
和典は和彦と目を合わせてからあきらめたように答えた
上杉「じゃ、駅に3時で。」
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minase - こんにちわ水瀬/minaseさんすごく面白かったです!!!!!!!!!!!! (9月15日 8時) (レス) id: 2cb09aeba9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:水瀬-minase- | 作成日時:2021年5月1日 18時