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国語のエキスパートの力? ページ31

彩side

秀明の授業が終わると、私は特別クラスに顔を出さずにそのまま家に帰った

その夜、私はずっとベッドの中で泣いていた

私が皆と行動を一緒にしなくなったら、そしたら、皆はどうするんだろうって

でも、そう思ったのは一瞬で、よく考えてみたら私はそれほど重要な人間じゃなかった

国語のエキスパートの出番なんてすごく少ないし…

胡桃さんがいるし

胡桃さんは秀明で''語学の姫、胡桃''なんて陰で呼ばれてたりする

そんな胡桃さんに勝てるわけがない

それに、胡桃さんがあの時私に言った言葉は正しかった

私は皆に励ましてほしかったんだ

でも私がぬけてしまっても、皆はちゃんとやっていけるんだ

そう思ってその日の夜はとてとつらく、みじめな夜だった

あくる日、私は少し気を取り直した

時間が経つにつれて、頭の中の整理ができるようになったの

そして、自分の中の問題はただ1つなのだということも分かった

それは、

みんなと一緒に自転車泥棒を追いつめるか

それとも、やめるか

その日は秀明がなかったから考える時間はけっこうあった

でも、私は先に進まなかった

仲間でいたい

でも恐い

そこから一歩も進めず、グルグルとその考えが頭の中をまわるばかりだった

そんなどっちも選べなかった私に、夕方かかってきた1本の電話が足を踏み出すきっかけになった

彩ママ「アーヤ、電話。」

ママから電話を受けとった

立花「はい、彩です。」

受話器を持って言うと、電話のむこうで、馴染みのあるモソッとした声がした

小塚「立花?ボク、小塚だけど。」

それは小塚くんだった

小塚くんからの電話でなにか言われそうで私は少し緊張した

立花「なに?」

警戒しながら答える私に小塚くんは少し言いにくそうに声をくもらせた

小塚「あのさぁ…悪いんだけど頼みがあるんだ…。」

そしてさらに口ごもって、遠慮がちに言った

小塚「ボク、君の力を借りたいんだ。君の力が必要なんだよ。君じゃなきゃ。」
  「国語のエキスパートの君じゃなきゃダメなんだ。」

私はふっと気分がよくなっていた

まるで、魔法みたいに

立花「なんで?」

さっきまで自分でもわかるような冷たかった声まで優しくなっていた

立花「なにをしてほしいの?」

小塚「あのさ。」

小塚くんの声も安心したようにいつものトーンに戻った気がした

小塚「黒木が塗料の成分表を手に入れたんだけど読めないんだ。全部アルファベットで。」

アルファベット!?

何語なんだろう

それから決意した私は授業前に特別クラスに行くことを告げた

皆の気持ち→←勝てない...


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minase - こんにちわ水瀬/minaseさんすごく面白かったです!!!!!!!!!!!! (9月15日 8時) (レス) id: 2cb09aeba9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:水瀬-minase- | 作成日時:2021年5月1日 18時

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