詐欺師再び ページ23
貴方side
上杉「別に、そういうわけじゃない。」
けど若武は取り合わない
若武「否定するトコが、あやしいんだなあ。絶対『比』に弱いんだ。」
和典は、ますますムウッとした。
若武のおしゃべりは止まらない。
若武「そうとわかれば、オレもチャリ捜しなんかやめて勉強しようかな。」
「おまえをダシぬいて、トップ賞取れるかもしんないもんな。」
「それで親をよろこばせれば今回のこともたぶん許してもらえるだろうしさ。」
「オレんちの親って、おまえんちの親といつも親しくしてるけど、ホントはすげえ意識してんだぜ。」
「総合では、上杉さんとこのノリちゃんにだけは負けないでよって、いつも言ってるもん。」
「おまえをぬけば、すっごくよろこぶことは目に見えてる。そうしようかな。」
和典はたまらなくなったらしくて、かみつくように叫んだ。
上杉「やってみろよ!」
若武は、ニヤッと笑った。
若武「いいのか。オレは、やるって言ったら本気でやるぜ。」
「算数だけに集中して、おまえをつぶしてやる。」
「そのために、ほかは投げてもいい。」
「オレはBだからな。Cのおまえみたいに完璧でなくても許される。」
「だけどおまえは得意の算数でトップ賞取れなかったら名前が泣くだろ。」
「『数の上杉』だもんな。」
和典は息をつめた。
顔が見る間に青ざめてく。
立花さんは和典を気の毒そうに見てる。
若武「上杉、2か月前のことを思いだせよ。」
「オレがおまえと賭けをしてさ、算数でおまえからトップを奪ったときのことさ。」
「どんな気持ちがした?オレに取られるくらいならまだほかの誰かに取られたほうがましだって思えるくらい、くやしかっただろ。」
「それが次のテストにもひびくくらいダメージだったんだよな。」
「親にも知らないヤツに取られたときの倍は、怒られたはずだ。」
「なんで若武さんとこのオミちゃんなんかに譲ったのってさ。」
「もう一度、あれをくり返したいのかよ。」
早口で息もつかずに言いきって、若武は一瞬言葉を切り、それから急に口調をやわらげて続けた。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
革ベルト
14人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
minase - こんにちわ水瀬/minaseさんすごく面白かったです!!!!!!!!!!!! (9月15日 8時) (レス) id: 2cb09aeba9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:水瀬-minase- | 作成日時:2021年5月1日 18時