狐少女は知っている (ページ13)

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みんなを好きになるページ13

彩side

とたんに､自分が今までしてきたことはすごく表面的な努力だったように思えた｡

私がみんなを好きになれば､それがきっとみんなにも伝わる｡

小塚くんも言ってたけれど､そういうのってなんとなくわかるものだもの｡

そうしたら､みんなと心がつながることができるのかもしれない｡

そうなれば､うまくやっていこうなんて思わなくても､いつも張りつめた気を使っていなくても､きっと自然にうまくやっていけるんだ｡

あの子たちみたいに｡

そうわかったとたんに､それまで自分の胸の中にあった堅いものがスゥッととけていくような気がした｡

私はもしかしてみんながきらいだったのかもしれない｡

だからそれを隠そうとして表面ばかり取りつくろおうとしていたのかもしれない｡

そう思えたのだった｡

みんなを好きになればいいんだ｡

そうすれば､きっと友だちだってできる｡

私はそう考えて､それからそのむずかしさを思って､ちょっと眉をひそめた｡

どうすればみんなを好きになれるのかなぁ｡

まず理解することだろうか｡

でも､話題とか興味とかがちがうのにそんなことができるんだろうか｡

人を好きになるって､具体的にはどうすればいいんだろう｡

自問自答しながら私は､なんとなく若武の顔を思いうかべた｡

私やみんなにメチャクチャ言われながら､それでもみんなから好かれている若武が急に不思議な男の子に思えた｡

みんなが彼を好きということは､彼もみんなを好きということだ｡

若武はもしかして､私の知らないことをいっぱい知っているのかもしれない｡

よし！

私は決心して､大きく顔を上げた｡

あいつを研究してみよう｡

瞬間､先生と目があった｡

先生「お､立花､元気いいな｡答え､言ってみろ｡｣

しまった....

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