4話 ページ5
「にんじん、じゃがいも、きのこ…」
私は今、最寄りのスーパーに来ている。
買い物カートを引きながら、晩御飯の材料調達だ。
今日はキヨくんの好きなカレーにしよう。
野菜も細かく切って、キヨくんのお皿には牛肉を沢山入れてあげよう。
カレーの材料と、ヨーグルジョイ、マーブルチョコなんかをカゴに入れて、レジに通す。
キヨくんが美味しいっていってくれる顔を想像しながら、買った商品をエコバックに詰める。
これでも主婦なので、マイバッグを使います!
そんなこんなでスーパーを後にし、帰路に着くと
「…あれ?」
目の前に見覚えのある後ろ姿が見えた
「フジくん?」
名前を呼ばれたことにびっくりしながらも、振り返った彼はやっぱりフジくんで。
「わ!Aちゃん。いま家に行こうとしてたところだよ」
「キヨくん、家で撮影してるよ」
「その撮影で急に呼ばれたんだよ、まったく」
まったく、なんて言いながら嬉しそうに笑うフジくん。
「あ、荷物持つよ。思いでしょ?」
「えっ!いいよ「俺が持ちたいんだよ、ほら」
私の言葉をさえぎってパッと袋を持つ。
「ありがと、フジくん」
「いえいえ」
さすがキヨくんのお友達。
サラッとカッコイイことやってみせるんだから。
「ただいまー!」
家に着くと、
「おかえり…ってフジ!」
「帰り道で偶然ね」
ブーツを脱ぎながらそう言うフジに続いて
「買い物袋持ってくれたの、助かっちゃった」
そういうと、すこしぎこちない様子で「そうか…」なんてキヨくんが言った。
あれ、機嫌悪い…?
すこしそんな感じもしたけど、
「よし!じゃあフジ、撮影するぞ」
気になったのはほんの一瞬で、いつも通りのキヨくんだった。
フジくんの肩をペシペシ叩き、2人は実況部屋に入っていった。
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作者名:妃姫 | 作成日時:2020年8月25日 11時