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捌噺 ページ10

「彼奴が其方を生み出したと言うのは……誠か？」









「うん。ととさまがおれをうみだしたんだ」









コクリと頷き、俺に向けられる曇りなき眼に嘘偽りはないと知る。









「そうか……」









湯浴み上がりの水気を含んだ髪を手拭いで優しく撫ぜる。

見た目は人の子と何ら変哲のないこの童が神。

俄に信じ難い。









「かかさま」









「……ん？」









この童、今何と？









「かかさまは―――」









「待て。かかさまとは誰の事だ？」









「ん」









小さな指が示す者は紛れなく俺だ。









「ととさまが、かかさまだといっていた」









知らぬ間に一児の母になっていた。

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作品のジャンル：恋愛
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作者名：濃氷 | 作者ホームページ：なし  
作成日時：2017年12月3日 18時

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