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壹噺 ページ3
“本日より共に暮らそう”
そう言われこの
今思えば出会って間もない者に、のこのことついて来てしまったあたり危険極まりなかったと思う。
人が寄り付かないだろう人里離れた地に建つ廃屋。
そんな言葉がピタリと当てはまる佇まい。
屋内も予想を反さない冴えない造り。
しかし、住めば都と言うもので、初めは余所余所しかったものの、今や居心地が良いとさえ思えるのだから不思議なものだ。
「また表を眺めているのか。……
「雨は嫌いではない」
「―――そうか」
薄汚れた居の窓辺から無数の雫を眺め、ふと思い出した。
あの日も丁度こんな凍てつく雨の日だったと。
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