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最終話 ここにいる ページ30

風が強く吹いた皐月の頃。
新緑は芽を出して少し暖かくなった。
今日はAの誕生日。
紅丸「お前のこと。忘れられねぇわ。」
Aの綺麗な笑顔の写真。
海みたいな青い目。
今でも探してる。
すると懐かしい香りがした。
紅丸「A?」
香りをした方向を歩いていく女がいた。
紅丸「まっ…て!」
だけどその女はいつの間にかいなくなっていた。
タダもんじゃねぇ…
紺炉「なんにしてんだ?紅」
紅丸「紺炉…あいつを見つけたぞ。」
紺炉「……狐に化かされたんだろ…帰るぞ…」
紅丸「いや…あいつと約束したんだ。最後の約束だ。」
探し回った。
探して探して…
そして…見つけた…
赤色のリボンをつけた…女。
紅丸「待て!!」
ビクッ
「?なんでしょうか…」
振り向いたとき俺はびっくりした。
青色の大きな目。
桜色の唇。
あいつの好きだった着物。
「………?」
“紅丸!”
紅丸「A…」
「え…なんで…私の名前を知ってるんですか…??」
風が吹いた。
Aは宝石のように美しかった。
「あの…大丈夫ですか?」
声も同じだ。
紅丸「お前…発火能力が使えるのか?」
「はい。巷で言う第3世代能力者で!」
紅丸「……」
生まれ変わったお前には炎とは無縁の綺麗な世界で生きてほしかった。
俺の目の前で微笑むA。
仏さんはときに残酷だ。
不意に涙が溢れてきた。
「わわ!大丈夫ですか?!」
ハンカチを差し出した。
紅丸「少し前に死んだ想い人に似ててなァ…」
「え!実は私も!あなたと会ったことあった気がして!だって懐かしいんですもん!」
にこりと笑う。
紅丸「………すまんな。足止めして。」
「全然!大丈夫です!!」
頭を下げて去った。
.......................
〜?〜
貴方に会って貴方を元気づけたい。
それでハンカチを差し出して。
笑顔で去る。
貴方はきっと悲しんでいるわね。
だから大丈夫だよって。
伝えたいの。
それで青い目で貴方を見つめたいの。
記憶のないフリをして。
さよならを伝えたいの。
明日世界が終わるとしたら。
黒いチューリップをあなたへ。
どうかどうか
「素敵な人生を歩んで。」
指輪を見つめた。
きらり光る。
私はここにいるよ。
さようなら。さようなら。また。会えたときはその時には私のことを忘れていてくれると嬉しな。
私は今日も貴方の中で生き続ける。
〜END〜

あとがき!→←58話 黒いチューリップ



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設定タグ:炎炎ノ消防隊 , 新門紅丸   
作品ジャンル:アニメ
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琥珀 - 檸檬さん、初めまして、 続きが気になるので、更新楽しみにしてます。 (2020年11月1日 10時) (レス) id: 8685377221 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 続きほしー (2020年7月22日 16時) (レス) id: f0b82b371d (このIDを非表示/違反報告)
色刃 - 続きめっちゃ気になるー (2020年6月14日 15時) (レス) id: aea2b65311 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:檸檬 | 作成日時:2020年5月17日 6時

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