54話 海ノ中 ページ25
『私に発火限界なんてない!お前に勝ち目はない!』
紅丸「どんとこい!」
『爆煙!!』
紅丸「当たってねェぞ!」
『くそっ!!真剣、陸の舞い、稲妻刀!!』
紅丸「...!!」
ドガッ
とAに蹴り飛ばされる。
ズドン
紅丸「うぅ...」
『死ね。』
...............
ここはどこだろうか...
海みたいに底がない。
だけど何にも感じない。
確かさっき...あれ何してたんだっけ?
思い出せない。
誰だったか...。
彼は誰...?
【A!】
【危ねェ!】
【守ってやるからな。】
紅い目で虹彩の◯と×が綺麗で...
黒髪でそれでそれで...
思い出せない。
あんなにも大切な人なのに。
思い出せない。
でも...こんなことどうでも良くなってきた。
上も下もわからない。
でも沈んでる。
もう何もかもどうでもいいや。
目をつむる。
【落ち込んでたら、前に進めませんよ。】
誰だ...
赤い瞳の少年...君は一体誰...?
【負けないで...】
優しく微笑む貴女は...
【お前の笑顔で救われることもあった。】
なんだろうこの温かい気持ちは...
【Aさん!】
愛らしい子達。
分かんない。分かんないよ。
『助けてよ。』
手を伸ばしても上の光に手は届かない。
暗い暗い底に沈む。
【A】
やめて
そんな優しい声で呼ばないで
貴方が誰だか思い出せそうなの。
【A!】
やめてって。
もうやめて。
思い出せないよ...
『誰か...』
「おい!」
『え?』
目の前には紅い目の私の大切な人。思い出せない人。
「A」
『綺麗な...紅色の目だね。私、貴方のこと思い出せない。』
「思い出せないのか?」
『うん。一緒に沈んじゃう。早く上にあがりなよ。』
「無理だ。」
『底には何があるかわかんないよ?』
「それでもお前と居るって決めたんだ。」
『本当に誰.....?』
【俺の名前は紅丸だ。】
『紅...まる?』
「俺の名前は新門紅丸だ。お前を助けに来た。」
『誰だっけ...』
「だから俺は紅だ!」
『私は紅なんて人知らない...』
「っ!」
『ごめん...』
「Aは俺の大切な人だ。だからお前を置いていけない。」
『っ〜!!』
ザザザザ
『べに...まる?』
紅丸「やっと思い出したか?」
『うん!!紅!!』
紅丸「帰るぞ。」
『うん!...あっ』
足を急に引っ張られて底に沈む。
紅丸「A!!」
『来るな!!』
紅丸「え...」
『来ちゃだめ。』
腕を伸ばして紅の背を上に押す。
紅丸「A!A!」
『ごめん。私は奈落の底に堕ちるから忘れて私の事。』
紅丸「A!」
ツー
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琥珀 - 檸檬さん、初めまして、 続きが気になるので、更新楽しみにしてます。 (2020年11月1日 10時) (レス) id: 8685377221 (このIDを非表示/違反報告)
黒(プロフ) - 続きほしー (2020年7月22日 16時) (レス) id: f0b82b371d (このIDを非表示/違反報告)
色刃 - 続きめっちゃ気になるー (2020年6月14日 15時) (レス) id: aea2b65311 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:檸檬 | 作成日時:2020年5月17日 6時