173.17歳最後の冬は、痛いほど冷たかった ページ10
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智「Aちゃん用意出来た？出来たらバス停まで送るから」
「…はい」
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今日でホントにこの家と、…大野さんとお別れなんだ……。
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「………出来ました」
智「ん、送ってくよ」
「、…」
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この笑顔とも、今日でお別れ。
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智「バス来るまでちょっと時間あるね」
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バスが来るまで……、たったの5分。
何か、何か話さないとっ。
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智「…Aちゃん」
「、！はいっ…」
智「…お母さんと仲良く、頑張ってね」
「っ…」
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隣にいる大野さんを勢い良く見る。
けど、大野さんは私なんて目もくれずに前だけを見つめている。
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もう、あと数分しかないのに。
………、私を見てほしい。
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遠くでブゥーンっと鈍いエンジン音を鳴らしてバスが走ってくるのが見えた。
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っ…、もう時間がない。
ギュッ…と拳に力を入れる。
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「っ…大野さん」
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今度は、私が目を合わさなかった。
小さな声で放った。
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「……好き」
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私の大切な…あなたへの最後の気持ち。
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智「、…」
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バスが着き、ドアが開かれる。
開かれた扉の階段に走って登る。
振り返ると、そこには愛おしい人。
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智「…Aちゃ、」
「…私は……」
智「、」
「私はずっと、好きでいるからねっ…」
智「っ…」
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プシュー…と呆気無く終わりの音を告げたバスは、私の気持ちなんて構わずに、軽快に走り出す。
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「………っ…、ぅっ、ふ、ぅっ…、(泣)」
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長い片思いは、漫画のようには報われない。
好きで好きでたまらない恋でも、叶わない。
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17歳最後の冬は、なんだかとても
冷たく…切なく、苦しかった。
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な り き(プロフ) - キル・ハーヴェイさん» キルさん！お久しぶりです(^^)嬉しいお言葉ありがとうございます！今まで幸せにしてもらってた分に比べたら待つのなんて容易いもんですよ！2年後以降、また5人の笑顔が見れる日まで頑張って生きて行きましょ！(笑)楽しんでもらえるように私も頑張ります！ (2019年2月11日 23時) (
レス) id: 5f402c1bf7 (このIDを非表示/違反報告)
キル・ハーヴェイ(プロフ) - お久しぶりです♪ 更新ありがとうございます(^^)楽しみにしていました♪ 寂しいですけど、きっと戻ってくると信じて、そしてここでの皆さんの小説に元気をもらっている1人です(´∀｀*) これからも、楽しみにしています！ (2019年2月10日 20時) (レス) id: ce04af8a29 (このIDを非表示/違反報告)
な り き(プロフ) - キル・ハーヴェイさん» わざわざ感想ありがとうございます！そう言って貰えて嬉しい限りです！最後まで楽しんで頂けるように頑張って書かせて頂きます(*^^*) (2018年11月13日 20時) (レス) id: 32ab660897 (このIDを非表示/違反報告)
キル・ハーヴェイ(プロフ) - こんばんは！！最初から3回くらい読んじゃった笑途中で滅茶苦茶なきそうになりました....心に訴えてくるものがありますね！楽しく、読ませていただきます！！！ (2018年11月11日 19時) (レス) id: c460069ae3 (このIDを非表示/違反報告)
な り き(プロフ) - 智恵里さん» えっ、、めっちゃ嬉しい…。智恵里さんのコメントに泣きそうです…( ﾉД`)わざわざコメントありがとうございます！引き続き頑張って書かせてもらいます！笑 (2018年6月19日 1時) (レス) id: 32ab660897 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：な り き | 作成日時：2018年6月17日 11時
