162.気付かない…フリ。-O.side- ページ43
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様々な建物が綺麗な光を放って暗い夜を照らし、
休みを満喫する車たちのライトが視界を明るくする。
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そんな綺麗な光を、車を運転しながら何気に堪能して。
家の駐車場に着いたので、助手席に座ってるAちゃんに話し掛けながら…
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智「Aちゃん」
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視線を向ける…と、
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智「…あぁ、寝ちゃったか(笑)」
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Aちゃんは、スースーと気持ち良さそうに寝息を立てながら眠っていた。
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車の窓から差し込む街頭と、月の光が、Aちゃんの寝顔を優しく照らす。
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智「……」
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俺は、気持ち良さそうに寝てるAちゃんの前髪にそっ…と手を伸ばした。
その時。
携帯から電話の音が鳴って、慌てて伸ばした手を引っ込めて電話に出る。
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智「…もしもし」
志歩『あ、智くん』
智「…何？」
志歩『何って、智くん何してるのかなぁっと思って。あのさ！今からそっち行ってもいい？』
智「、は？！む、無理無理！」
志歩『なんでよ』
智「な、なんでって…。と、とにかく今は無理！また今度な！」
志歩『えー、また今度っていつよ。智くんそればっかじゃん』
智「んぁー、だから、今度は今度だよ」
志歩『…はぁ、わかったよ。今は無理って事ね』
智「おう。今は、……」
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俺は、そう言いながら隣で寝てるAちゃんに視線を向けて、さっき触れようとした前髪にそっ…と触れた。
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智「…、うん。今は無理」
志歩『…そっか。なら仕方無いや。じゃ、智くん、またね』
智「おう。ごめんな。…じゃ」
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ピッ…と、電話を消して、ふぅ…と一息。
車の中を静かな静寂が包み込む。
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智「……Aちゃん、着いたよ」
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そう、俺は何事も無かったように再びAちゃんに声を掛けた。
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作者名：な り き | 作成日時：2017年10月16日 14時
