151.最後の思い出作り ページ32
その日の夜、大野さんは私が作った晩御飯を始めて残した。
そんな私も食べる気なんてあまり起こらず…。
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洗い物は俺がするから、Aちゃん先お風呂入ってきな。と言われ、私は重い足取りでお風呂に入った。
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その後、大野さんもお風呂に入り、寝るために2人で布団を並べていると、大野さんが布団を敷きながら話し始めた。
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智「Aちゃんさ…、いつ…出てくの…？」
「えっ…、ぁ、明後日…です…」
そう答えると、私の方は見ずに布団に視線を向けたまま「そっか…」と小さな声で呟いた。
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智「…あのさ、嫌だったら全然イイんだけど……」
「…？」
智「最後にさ、2人で出掛けない…？」
「、え…」
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思いもしない事を言われ戸惑う私を見て、大野さんも焦りだす。
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智「っ、あ、別に嫌なら全然…」
「行きますっ…！…行きたい、です…」
この話をナシにされる前に、慌てて答えた。
最後の思い出…。
断る理由なんて無い。
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智「明日休みだし、どこか行きたい所ある…？」
そう聞かれて、ふと思い付いた場所。
あの日、大野さんと行けなかったアノ場所。
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「……水族館…」
智「…水族館ね。うん。じゃあ明日は水族館行こっか！」
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静かに首を縦に振って返事をした。
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電気が消えた暗い部屋で。
敷いた布団に寝転んで、眼を閉じる。
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…、明日はイイ思い出
いっぱい作れると良いな…。
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そう想いながら、私は静かに眠りについた。
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作者名：な り き | 作成日時：2017年10月16日 14時
