33.中学生になりました ページ1
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新しい制服に身を包んで、新しいカバンを持って、新しい靴を履く。
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今日から中学生になる。
制服が変わるだけで、なんだか大人になった気分。
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「…行ってきます」
そう言って家を出ようとしたら
仕事に行く準備をしていた大野さんがリビングから走ってきた。
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智「Aちゃん待って…っ！俺も行く！」
慌てた様子で靴を履いて、玄関の鍵を閉める。
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智「よしっ！…行こっか」
私よりなぜか楽しそうに笑う大野さん。
…今日は機嫌イイのかな。
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一緒に学校に向かっていると
私の隣で歩いていた大野さんが、ふと私を見た。
パチッと目が合うと、ふわっと微笑んだ。
智「…セーラー服も似合ってるね。可愛い」
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「っ…、」
それ、聞く人によっちゃ、ヤバい人だよ。
…でも大野さんに言われると
普通に…、嬉しかった。
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大野さんが仕事に行く前に、私を先に学校の前まで送ってくれた。
智「ごめんね、入学式行けなくて…。中学校生活楽しんでね」
優しく笑った大野さんに
ありがとう、と手を振ろうと思って手を上げかけた
その時。
大野さんの両手が私の首の下らへんに伸びてきた。
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「っ、…」
ビックリして、きゅっと目を瞑る。
そしたら大野さんの手が離れていった。
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智「リボン。傾いてた(笑)」
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…っ、何それ…。
いろいろと反則……。
私が１人であわあわとしていると、大野さんは何も無かったかのようないつもの柔らかい笑顔で私に手を振って仕事に向かっていった。
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「…、リボン……か」
リボンにそっと触れる。
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『新入生は、速やかに体育館に移動しなさい』
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「っ、やばい！入学式！」
放送がかかって、私は急いで体育館に向かった。
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作者名：な り き | 作成日時：2017年8月7日 14時
