19.愛ちゃんパパ ページ19
愛ちゃんの家の前に着くと、
俺の手を震えながら強く握る。
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智「…大丈夫。先生がついてる」
玄関のドアを見つめたまま、そう一言だけ呟き
愛ちゃん家のインターホンを押した。
.
.
" はい、どちら様ですか "
と、インターホン越しに聞こえた男の人の声。
智「あの私、学童の職員をやらして頂いている大野智と申します。…愛ちゃんの事で少しお話を伺いに来たんですけど」
インターホン越しにそう言うと
" …すいません。今お取り込み中でして。…そこに愛は居るんですか？ "
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その言葉を聞いた途端、
愛ちゃんがカタカタと震えだす。
智「…はい」
愛「っ…、」
少しの間が空いたら、ガチャッと玄関のドアがゆっくり開いて、中から少し想像とは違ったキレイめな格好のお父さんが出てきた。
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父「すいません。愛を送って頂いて」
第一印象は、誰が見ても優しいお父さん。
智「…いえ。それとは別に、お聞きしたい事がありまして」
すると、お父さんがこちらに近付いてきて
俺の手を握っている愛ちゃんの腕を引っ張った。
愛「っ…！」
父「愛。…急に居なくなるからビックリしたよ。早く家に入りなさい」
終始、俺の隣でブルブル震えて泣きそうな愛ちゃん。
智「っ、あの！」
と愛ちゃんの腕を引っ張るお父さんの手にパッと手を出すと、食い気味に
父「すみませんが、さっきも行った通り、今忙しいのでまた今度でいいですか」
.
ニコッと爽やかに笑ったお父さんは
俺の隣で手を握っていた愛ちゃんを自分の方に引っ張った。
お父さんの隣に立った愛ちゃんの瞳が
俺に助けを求める。
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作者名：な り き | 作成日時：2017年8月7日 1時
