2.同居人 ページ2
お葬式が終わって
私には重すぎる部屋から出て
庭を一面出来るベランダに座る。
「…はぁ、」
自然と溜め息が出る。
これから私、どうすればいいんだろう…
一緒に住んでくれるって人とは上手くやっていける気がしないし、
そもそも上手くやっていこうとも思ってない。
「…、お父さん。お母さん。っ…置いてかないでよ……」
雲一つ無い空を見上げて、２人に話し掛ける。
…もう、返事は返ってこないけれど。
.
？「泣いてるの……？」
「っ…！」
私の後ろから急に声を掛けられる。
ビックリして、バッと振り向くと
そこにはスーツをピシッと着ている
優しそうな雰囲気の男の人が
私を心配そうな表情で見ていた。
「…泣いてない、っ」
目を赤くして鼻水をズビッと吸っている状況からして、こんな嘘、絶対バレバレだけど…
？「…そっか。なら良かった」
「え…？」
？「泣いてる子の慰め方って、俺分かんないからさ(笑)」
絶対泣いてるなんて見れば分かることなのに…
変な人……
？「Aちゃん…だっけ？」
「…なんで、私の名前…」
？「え…、俺のこと誰かから聞いてないの？」
私より、ビックリしている彼。
コクン…と頷くと
？「そっか…。なら言っといた方がいいね」
静かに彼の言葉を待つ。
？「今日からAちゃんと一緒に住むことになった、同居人の大野智です」
智「よろしくね？(笑)」
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作者名：な り き | 作成日時：2017年8月7日 1時
