* ページ20
「もう少しで学校だからねー。」
学校..いやだ。学校だと哀れみの目線を向けてくる。優愛と一緒にいる集団を追いかけて、騒いで、少し女の子が近づくと噂する。
そう、だから誰も近付かない。優愛しか近付けない。
優愛しか。優愛だけ。
私はダメ、だったら....
「ま、真冬!もう大丈夫、です!下ろしてください!!」
「えー?なんでー?あ、お姫様だっこが良いの??」
幼子のように無邪気に笑う相川さんの前にはもう、校門と多くの生徒、そしてあの団体もいる。あそこに行ったら、私は終わる。
「あの、下ろして!下ろせって!」
足をジタバタさせても、なかなか離さずもう校門。諦めて、背中に顔を埋めた。
私を、ひそひそと悪く言う声がよく聞こえてくる。聞きたくないはずなのに、耳に一番、際立って聞こえて、耳がそれで一杯。
脳漿をかき乱して、ずっと響いている。ひとつ小さくなったと思ったら、次は大きくなる。
真っ黒な心に、ぐちゃぐちゃな心に、ひとつ、またひとつと落とされる、無慈悲な言葉がたまって、私の闇に溶かされていく。
その真ん中で、真っ白で痩せこけて、今にも死んじゃいそうな私がいる。
「たすけて。」
幼子のような、か細く幼稚で舌足らずな、救いの言葉。
200人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みかん(プロフ) - 急に失礼します!めっちゃ続き気になります!!楽しみに待ってます!! (2022年1月7日 1時) (レス) @page21 id: 3e49513536 (このIDを非表示/違反報告)
さーす(プロフ) - ちょこさん» すみません!!頑張ります、! (2019年9月7日 22時) (レス) id: 41e6bf832c (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ - 終わってます!戻ってきてください!続き楽しみに待ってます! (2019年8月31日 19時) (レス) id: 1b1d47c664 (このIDを非表示/違反報告)
Iwntodidet - シリアス好き (2019年6月8日 20時) (レス) id: c9c05fe7f4 (このIDを非表示/違反報告)
さーす(プロフ) - やのさん» シリアスも甘いのも好きで..wありがとうございます!更新、頑張りたいと思います! (2019年4月16日 17時) (レス) id: 458cfdd516 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:サース | 作成日時:2019年3月26日 20時