炭酸ぬけて20日 ページ22
「何もAのこと知らないくせに。」
「Aの身にもなれよ。」
「ｯそれってどういう…」
真冬が言う前に彼方は、私の手をひき、教室から出ていった。
彼方が必死になって私を、守ってくれたことが嬉しかった。
ーーーーーー
彼方さんの最後の言葉はどういうことだったのか。
僕は今まで、ずっとAといた。彼方さんの知らない顔も知ってる。
寝顔だったり、怒った顔だったり、赤ん坊みたいに泣く顔だったり……。
でも、
思い浮かぶのは小学生や幼児のときの顔ばかりだった。最近の彼女から出る顔は全部作り笑いだった。
僕だって、突き放したい訳じゃなかった。
でも、何も言わないあのときの彼女には不覚にも腹が立った。
でも、よくよく考えればAはそんなことをしない。自分で言うのも何だけど、彼女は僕が傷つくのを最も嫌うくらい僕のことが好きだ。
そんな彼女が、心優しい彼女がわざわざ僕が傷つくようなことをするはずがないのだ。
次の日は謝ろうと思っていた。
「昨日はごめん、Aはやってないんだよね。」
そういって、また仲良くするはずだった。
でも、その日から落書きはなくなり、怯える恋夏ちゃんを見れば見るほど自分の気持ちが分からなくなった。
あぁ、そんなの言い訳だ。
簡潔に言うと、僕は意気地無しだったんだ。
でも、今は違う。彼方さんに言われて謎の勇気がわいた。
僕は教室を出て、彼女たちを追いかけた。
会ったらちゃんと言うんだ。
「ごめん。Aのこと信じられなくて。
意気地無しでごめん。」
「また仲良くしてくれる？」
自分勝手だとは思う。逆に突き放されても可笑しくはない。
でも伝えなきゃ始まらない。
普段動かさない体を最大限に動かして探した。
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藍花(プロフ) - こんな旨を締め付けられるほど感情が揺さぶられる小説は多分初めてであったと思いますっ！！切なすぎっ！涙腺かたい私でもこれは泣くよっ(泣き)最高の小説ですね！ (2022年9月26日 20時) (
レス) @page13 id: 0ca6d56674 (このIDを非表示/違反報告)
さーす(プロフ) - 嬉しいお言葉ありがとうございます！励みになります！ (2019年3月31日 22時) (レス) id: 458cfdd516 (このIDを非表示/違反報告)
starlight - この作品伸びないかなぁ、。表現力も高いし。この作品好きです！ (2019年3月28日 23時) (レス) id: 7d8f4de5df (このIDを非表示/違反報告)
さーす(プロフ) - ありがとうございました！グダグダかな？と思っていたのですが、自信が少しつきました！励みになります！ (2019年3月17日 23時) (レス) id: 458cfdd516 (このIDを非表示/違反報告)
リート(プロフ) - すごく良かったです！個人的に学園ものが好きなので、ソーダみたいな微炭酸が一つ一つ表現されてて……！語彙力がないのできちんとした感想が書けませんが頑張ってください！ (2019年3月17日 16時) (レス) id: 0a8d7846e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サース | 作成日時：2018年10月25日 20時
