炭酸ぬけて18日 ページ20
「………んっ。」
目を開けると、暖色の温かみのある天井とライト。保健室だ。
重い体を起こして、目を擦った。目が重い。きっと赤く腫れてるだろう。カーテンの向こうでは話し声がした。彼方の声だ。
「……い。……………………って。…………はい。」
途切れ途切れで何も分からなかったが、明るい話ではないことは分かる。
足音が聞こえてきて、カーテンがシャッと開いた。
「あ、A起きたんだね。」
いつものような優しい笑顔だけど、どこか辛そうだった。
「……うん。」
「体調とかどう?もう教室いけそう?」
「大丈夫、だよ。」
怖い。慣れるなんて、一生無理だと思う。必要とされないと生きていけない人間の性。孤独で生きていけるなんて、そんなの絶対感情が一部分欠落してるでしょう。
「大丈夫。俺がいるから。」
ぎゅっと手を握ってくれた。手は冷たいのに温もりに包まれている気分だった。手が冷たい人は心が温かい。ってこれのことだったんだ。
いつの間にか教室の前。もう休み時間になっていたらしく、教室はガヤガヤしてる。
私達はガラッと教室のドアを開けた。
皆の目線が刺さる。
あぁ、気持ち悪い。
今すぐ逃げてしまいたい。
でも、ちゃんとしなきゃ。
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藍花(プロフ) - こんな旨を締め付けられるほど感情が揺さぶられる小説は多分初めてであったと思いますっ!!切なすぎっ!涙腺かたい私でもこれは泣くよっ(泣き)最高の小説ですね! (2022年9月26日 20時) (レス) @page13 id: 0ca6d56674 (このIDを非表示/違反報告)
さーす(プロフ) - 嬉しいお言葉ありがとうございます!励みになります! (2019年3月31日 22時) (レス) id: 458cfdd516 (このIDを非表示/違反報告)
starlight - この作品伸びないかなぁ、。表現力も高いし。この作品好きです! (2019年3月28日 23時) (レス) id: 7d8f4de5df (このIDを非表示/違反報告)
さーす(プロフ) - ありがとうございました!グダグダかな?と思っていたのですが、自信が少しつきました!励みになります! (2019年3月17日 23時) (レス) id: 458cfdd516 (このIDを非表示/違反報告)
リート(プロフ) - すごく良かったです!個人的に学園ものが好きなので、ソーダみたいな微炭酸が一つ一つ表現されてて……!語彙力がないのできちんとした感想が書けませんが頑張ってください! (2019年3月17日 16時) (レス) id: 0a8d7846e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サース | 作成日時:2018年10月25日 20時