恋と微炭酸ソーダ【歌い手】

炭酸ぬけて13日 ページ15

次の日の朝は早めに行く。

可能性は低いけど、万が一落書きなんてされてたら消すのに時間がかかる。

そんなことを考えながら玄関をでると、すぐ先の自販機の前に彼方がいた。

やっぱ目立つな。

色白で深い青の髪で、モデル顔負けのスタイルと顔。立ってるだけでも絵になる。

あの横に、いつもたってたのか。

そう思うと、イヤになってきてバレないようにそっと通り過ぎた。

でも、気付いたみたいで。

「あ、まって。一緒に行こ。」

「え、やだ。わかった。」

どっちなの、なんて笑って二人で歩きだした。


教室につき、私の机を見ると何も書いていなかった。でも引き出しには多少のゴミ。

大量じゃなくて、あっても可笑しくないような絶妙な量だった。

思うんだけど、よく嫌いな人に対してそーゆー労力を使うんだろ。

ま、なんでもいいけど。

「ねえ、大丈夫なの。」

「何が？」

「これから。絶対目の敵にされる。
てかもうされてる。」

別にどう思われようといいんだけどなぁ。

完全に恋心が消えた訳じゃない。敢えて言うなら、欠片も消えてない。

好きにならなきゃ良かった。なんて思うほど好き。でも叶わないから、頑張って記憶から消している。

そうでもしないと、いつか壊れてしまうから。

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