炭酸ぬけて10日 ページ12
彼方と一緒に教室へ入ると、クラスが不穏な空気たまった。
恋夏ちゃんは俯いている。そして、真冬が近くで慰めている。手で、表情は見えないけど明らかにいつもとは違う。
「何かあったの?」
そう彼方が聞くと、一人の女の子が答えた。
「あ、あの青崎さんの机に酷い落書きが…。」
そうだ、今日は消し忘れていた。落書きはいつも酷いものだった。悪口から存在を否定するようなものまで。
私はどうしたらいいか分からなくて、でも、心のどこかでは笑っているのかもしれない。
「あのさ、私見ちゃったんだけどさ」
リーダー格の取り巻きみたいな人が口をひらいた。
「毎朝、(名字)さんが早く来て恋夏の机になんかしてるんだよね。」
やっぱりそう言うと思った。どうせ、園田さんだろう。園田さんが言ったんだ。
「で、でも、今日が初めてでしょ?」
でしょ?恋夏。と真冬が言った。私はそのタイミングで、本当のことを言おうと口をひらいた。
「あの。「あのね!」
園田さんが被せて私より、大きな声で発言した。一体何を言うつもりなのだろう。自分がやったってこと?
何にせよ、私は言わなくちゃいけない。
「私が話してたよね?」
「ごめん…。でも皆に聞いてほしいの!」
園田さんの方が私より、よっぽど人望もあつく園田さんの話が優先みたいだ。
「実は、私が毎朝、消してたの。」
「今日は寝坊しちゃって消せなくて。ごめんなさい…。」
は?
消してたのは私で、やってたのは園田さんでしょう?
クラスがザワザワし始めた。園田さんは大きな瞳に涙をため、私を見ている。
皆、私を疑ってるんだ。
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藍花(プロフ) - こんな旨を締め付けられるほど感情が揺さぶられる小説は多分初めてであったと思いますっ!!切なすぎっ!涙腺かたい私でもこれは泣くよっ(泣き)最高の小説ですね! (2022年9月26日 20時) (レス) @page13 id: 0ca6d56674 (このIDを非表示/違反報告)
さーす(プロフ) - 嬉しいお言葉ありがとうございます!励みになります! (2019年3月31日 22時) (レス) id: 458cfdd516 (このIDを非表示/違反報告)
starlight - この作品伸びないかなぁ、。表現力も高いし。この作品好きです! (2019年3月28日 23時) (レス) id: 7d8f4de5df (このIDを非表示/違反報告)
さーす(プロフ) - ありがとうございました!グダグダかな?と思っていたのですが、自信が少しつきました!励みになります! (2019年3月17日 23時) (レス) id: 458cfdd516 (このIDを非表示/違反報告)
リート(プロフ) - すごく良かったです!個人的に学園ものが好きなので、ソーダみたいな微炭酸が一つ一つ表現されてて……!語彙力がないのできちんとした感想が書けませんが頑張ってください! (2019年3月17日 16時) (レス) id: 0a8d7846e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サース | 作成日時:2018年10月25日 20時