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「ほんっとに、ほんっとにすまん！！！！」
「いや、あの……先輩、」
「ほんまにごめんな！？俺……俺……」
「大丈夫です。だから顔上げてください。後立ってください。お願いですから！」
いつも通りの時刻に目を覚ました私が、別室の彼を確認すべくその部屋のドアノブを回して開いてみると、そこには土下座姿勢の彼がいた。
下手に彷徨う事もできず、私がこの部屋を訪れるまで、もしかしたらずっとその姿勢をキープしていたのかもしれない。
戸惑う私を他所に、謝罪の言葉を浴びせてくる先輩を慌てて立ち上がらせる。朝起きていきなり謝る彼は彼で大変だと思うが、寝起きの化粧もしていない姿で謝られる私も私で大変なのだ。
一息ついたところで、布団を畳もうと手を伸ばすと、咄嗟に彼に遮られてしまった。「俺が畳む！！！」と張り切るものだから、思わず勢い負けして数歩引き下がる。
想像通り綺麗に畳めず惑う彼と、不格好に重ねられた布団の層を見て、笑いが零れた。笑うなや！！なんていう拗ねた声が脇から聞こえてくるが、布団の端をより直して整えながら受け流す。
「あのな、Aちゃん……悪いんやけど、俺、一緒に行った居酒屋で一杯目飲み始めてからの記憶が無いねん……」
「ああ……そうですね」
「ここまでどうやって俺のこと運んできてくれたん？……俺、何もやらかしてへんよな？一線超えてへんよな？」
「タクシーです。絶対に、一線超えたりなんてしてませんから。ていうか有り得ません」
「それはひどいやろ！？」
酒に弱いからてっきり二日酔いになったものだと思い込んでいた自分が阿呆みたいに思えて、持ってきていた頭痛薬と水の入ったコップを机に置いた。
彼は元気だ。めちゃくちゃ元気だ。心配して損をした気分。けれども倦怠感はどうしても拭えないようで、「それ、飲んでんもええか……？」と申し訳なさそうに訊いてきたので、頷いてお盆を手渡す。
「ありがとな！」と言って笑った先輩がなんだか恨めなくて、いえ、と返して目を逸らしてしまった。
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梅ささみ(プロフ) - わたぬきさん» ありがとうございます〜！そう言って頂けると励みになります！今後ともよしなに… (2018年2月23日 18時) (
レス) id: 231b2007bc (このIDを非表示/違反報告)
わたぬき - 大好きです……更新待ってます。 (2018年2月23日 3時) (レス) id: b5bb97f311 (このIDを非表示/違反報告)
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