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「あの、すぎる先輩」
「んぁ？なんやあ、どしたん？」
また酒が回ってきた頃、ふと浮かんだ疑問。それを投げつけるべく口を開けば、返ってきたのは曖昧な、呂律が回らない言葉。大丈夫かこの人？
そんな思いを咀嚼して、無言で水が満たされたコップを差し出す。受け取った彼は、一思いにそれを飲み干した。
「いえ、……大丈夫、ですか？」
「お〜大丈夫やでぇ〜」
ダメだこの人。完全に出来上がっちゃってる。諦めにも近い感情を彼に抱きながら、程々に、と手遅れな忠告呼びかける。
勿論彼がそれをまともに聞き入れるわけもなく、折角水で満たした口内をまた、酒で濁らせた。
一週間の末、ということもあってか、彼の疲れは余程溜まっていたのか、愚痴を肴として酒が思いの外進んだようだ。
聞き手に回っていた私はまだ量をセーブできたけれど、勢いに身を任せていた彼は、見事に酒に呑まれてしまったのだろう。
そんな先輩は、もう何杯目かも分からないジョッキを飲み尽くすと、親父臭い溜息を漏らして、言葉を発した。
「俺はなぁ、Aちゃんと飲みたかったんやで……」
「……え？」
「……なんでか、分かるか？」
「……や、えっと、先輩……？」
急に真っ直ぐに見つめてきた彼に、私の心は対応しきれず、思わず動揺。そして、動揺してしまった焦りからか、拍動が早まっていく。
机越しに、前のめりになった彼の顔が近づいてきて──。
「……」
「……先輩……？」
「……」
「……はぁ……」
反射的に瞑った目を開けば、机に伏せて気持ちよさそうに眠る先輩がいた。
安心とも落胆とも言えぬ溜息。何故だか酔いも驚くほど冷めてしまって、急に冷静になる脳。
酔い潰れた彼を介護すべく、スマートフォンを手に取った。
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梅ささみ(プロフ) - わたぬきさん» ありがとうございます〜！そう言って頂けると励みになります！今後ともよしなに… (2018年2月23日 18時) (
レス) id: 231b2007bc (このIDを非表示/違反報告)
わたぬき - 大好きです……更新待ってます。 (2018年2月23日 3時) (レス) id: b5bb97f311 (このIDを非表示/違反報告)
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