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「お疲れ、Aちゃん」
「……来てくれたんですね」
「あったりまえやろ！」
来ないとか男が廃るわー、なんて茶化すような態度を見せる彼にも、不安の色が表情に浮かんでいる。そんな顔をさせてしまっているのは自分だ、という自覚が急に強まり、視線を思わず下げてしまった。
「プロジェクト、お疲れ様でした」
「ホンマに大変やったわー」
結局、悩みに悩んで送ったメッセージは、『プロジェクトが終わってから話せませんか？』という一言。忙しいであろう彼を私なりに気遣い出した結論は、分かったの一言で片付けられてしまった。けれど、返信が貰えただけで、あの時の私には充分不安を弛緩する材料となって。
少し彼と話すのが怖くてスマートフォンを持つ手が震えていたことを覚えている。話すんだ。話さなきゃ。伏せていた目を、静かに戻す。──その瞬間、目が合った。どくんと飛び跳ねる鼓動。
喉が波打つ。伝えなければいけない言葉を早く言え、と急かさんばかりに。
「ところで、話って──」
「……あの、先輩」
あ、とどちらもものかも分からない一音が休憩所の床に零れ落ちる。最悪だ。先輩のせいとは言えないが、貴重なタイミングを逃してしまったようで、踏ん切りが付かずそれ以上の言葉は出てきてはくれなかった。
「ごめんな」
長い長い沈黙の後、斜め上から声が聞こえた。言葉の意味が理解できず、え、だの、あの、だの役に立たない単語が口から漏れるだけ。
どうして先輩が謝るんですか。こちらこそすみません。何でもよかった。それでも、口に出すことはできなかった。
「…………先輩、ゲームしませんか」
悲しげな彼の顔を見ていられなくて、咄嗟に継いで出た言葉の意味。それは誰にも分からない。
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梅ささみ(プロフ) - わたぬきさん» ありがとうございます〜！そう言って頂けると励みになります！今後ともよしなに… (2018年2月23日 18時) (
レス) id: 231b2007bc (このIDを非表示/違反報告)
わたぬき - 大好きです……更新待ってます。 (2018年2月23日 3時) (レス) id: b5bb97f311 (このIDを非表示/違反報告)
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