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「Aちゃんって──彼氏とか居ないの?」
「……へ、」
憂鬱な飲み会の席にて、酔いの回った女の先輩から飛び出した言葉は、ほろ酔い気分のふわふわとした浮きだった私の気持ちを急に現実へと引き戻した。
別に仲が悪いわけでも、苦手なわけでもない。ただ、酔って面倒くさくなった先輩は少し嫌いだ。反応に困る。
「……え、と、その…」
「おぉ〜〜？何だその反応はぁ〜〜！お姉さんに言ってみな〜〜？」
むわり。そんな効果音が付きそうなほど、先輩から強く臭うお酒の香り。それは、もうこの人の酔いが手遅れだということを私に教えてくれた。
逃げるにも、この場にいる女性社員は私と彼女の二人だけ。他の女性社員は、様々な理由をつけて帰ってしまったのだろう。そして、運悪く取り残された私。強制的にこの場に連れ込まれてしまった。
「居ません、居ませんよそんなの……」
「ホントに〜〜？勿体無いなぁ、Aちゃん可愛いのにね〜〜」
「あ、はは……」
何となく成り行きは分かっていたけれど、思わず苦笑い。逃げ場もなし、返す言葉も無し。どうしたらいいのだろう。
そこへ、追い打ちをかけるかのように、男上司がこちらへやってくる。嫌な予感がして、少し後ずさりした。
「おっ、飲んでる？」
「あっ、部長〜〜！飲んでますよ〜〜あ、でもAちゃんはあんまり飲んでないかな？」
「えっ」
まさかの攻撃に、頬が引きつる。ちょっと待って、そんなの聞いてない。いやそれは当たり前なんだけど。これはかなり不味いのでは？
気づけば、目の前に置かれたかなり大きめの、私が今まで飲んでいたカクテルのグラスの二倍ほどの、ビールジョッキ。
ああ、もうこれは飲むしかないのか──。そう覚悟を決め、ジョッキの持ち手に手をかけた時だった。
「あ、部長！！そこにいたんすか！！」
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梅ささみ(プロフ) - わたぬきさん» ありがとうございます〜！そう言って頂けると励みになります！今後ともよしなに… (2018年2月23日 18時) (
レス) id: 231b2007bc (このIDを非表示/違反報告)
わたぬき - 大好きです……更新待ってます。 (2018年2月23日 3時) (レス) id: b5bb97f311 (このIDを非表示/違反報告)
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