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「おー、来たきた。何してたん?」
「ふたりして屋上で寝てました」
「なんやそれ」

寝起きです、と言わんばかりの顔をしている蘭たんと、似たような顔をしているだろう私を見て、すぎるくんは笑った。

「でも気持ちはわかるわぁ」
「え、すぎるさんもそっち派ですか」
「すぎるはガサツだもんね。おれと違って」
「実際に寝とったヤツのセリフちゃうやろそれ」

蘭たんの言葉に、すぎるくんがすかさず突っ込む。ふたりの会話は、まるで漫才でもしているみたいだ。聞いていると、つい笑ってしまう。

「てかしゅーさんは?」
「教室に忘れもん取りに行ってる。そのうち戻ってくると思うで」

知らんけど。そう言ってすぎるくんはにかっと笑った。
すぎるくんはもともと関西の出身で、私が小学3年生の頃に真上の階に越してきた。
すぎるくんがお母さんと一緒に家まで挨拶に来てくれたとき、話し方が自分と違うことにびっくりしたのを覚えている。だけど、それがすごくカッコいいと思った。
淡い憧れを抱きながらも、人見知りで彼と話せないでいたところに、いつの間にか仲良くなっていたらしい蘭たんがすぎるくんを連れてきて、私たちはお友達になった。それから気づけば、もう年来の友人である。

「……なんかAからめっちゃ熱い視線を感じるんやけど」
「え、うそ。無意識だった」
「どしたん? あ、もしかしておれのこと……」
「それはない」
「ありえない」
「なんでふたりが否定すんねん!」

すぎるくんが言い終わるよりも前に、蘭たんとハッチがばっさりと切り捨てる。だけど、すぎるくんの続きの言葉が"好き"だったなら、あながち間違いでもないかな、と思った。
たぶん私は、昔すぎるくんのことが好きだった。自分でも知覚していなかったくらい、あまりにも淡い、ろうそくの炎くらいの恋心だったけれど。
今にして思えば、あれが初恋だったなあ、というのは、わあわあと言い合っているみんなには内緒にしておこう。

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みかん - 好きです。ずっと応援しております。 (2020年10月31日 21時) (レス) id: e8dff2febb (このIDを非表示/違反報告)
いちご(プロフ) - 更新お疲れ様です!毎話とても素敵です( ; ; )これからも応援させて頂きます(*´-`) (2020年7月10日 18時) (レス) id: 953a850615 (このIDを非表示/違反報告)
ささき(プロフ) - のあさん» コメントありがとうございます!そんなふうに言っていただけて光栄です。遅筆ですみません、がんばります! (2020年7月8日 23時) (レス) id: a1167b4d39 (このIDを非表示/違反報告)
のあ(プロフ) - 本当に生きがいです、、頑張ってください( ; ; ) (2020年6月26日 19時) (レス) id: cc2606b39f (このIDを非表示/違反報告)
ささき(プロフ) - nullさん» ひぇ〜〜〜ありがとうございます…私も皆さまからの評価やコメントが生きがいに繋がってます、ありがとうございます…! (2020年6月7日 19時) (レス) id: a1167b4d39 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ささき | 作成日時:2020年5月15日 15時

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