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episode1 ページ2

ー俺が幸せにする。絶対にー


その言葉は嘘ではなかった。


嘘も屈託もない彼の言葉は
いつも私の心を浄化してくれる。



私たちに子供は居ないが
それについてはなんとも思うことはない。

そもそも、お互い一緒に居たいから
結婚というシンプルな道を選んだだけだ。


周りにはいつも言われる

そろそろなんじゃないの?
子供がいると、家庭が明るくなるよ。

それは個人の価値観であり
押し付けるものではない

子供についての質問の次に
よく聞かれること

それは


ー暴れることはないのかー


正直、無いとは言い切れない


彼も心のある生き物だ
私だって、誰だってそうだ


感情の表し方は人それぞれであり
それを制御することも
矯正することも、必要ない


ひとつ思うことは
暴走した時の、解決策があれば
なんだって良いということ。


未だ、その部分に関して
手探りではあるが
少しずつ改善されている



私は今日も、眩しい太陽の下

せっせと洗濯物を干していた



こんな何気ない日常が大好きだ。



街で鳴る12時の鐘が、こだまして
森の奥の私たちの住むところまで聞こえてきた。


あれ…?

私は辺りを見渡す


「ブロリー、どこに行ったの?」


周りは静まり返って
心地よい風だけが、私の頬を掠める



私は、芝生をノソノソと歩き回る
緑色の生き物に声をかけた


「バアちゃん。あなたのご主人様はどこかしら」

バアは首をかしげると
地面に鼻をつけ匂いをたどりながら
どんどん森の奥へと入っていく。


一体、どこまでいくのかな

時折、私がちゃんとついてきているか
後ろを振り向きながら進んでいく


バアの後ろを、草をかき分けながらついて行くと



真っ青に輝く海の見える崖へとたどり着き
バアは顔を上に向ける



そんなところに居たのね。



私はバアを抱きかかえ
宙へ浮いた。


大きな木の枝に横になり、静かに目を閉じる彼は
規則正しい寝息を立て、すっかり眠っている。


「ブロリー」



ゆっくりと開いた瞼から覗く綺麗な目は
海の水面に乱反射した光を浴び
綺麗に輝いてた。

風に揺れる黒い髪が、その綺麗な目を一層美しく際立たせている


まだ眠そうな目をこすり、彼は
私とバアを優しく抱き寄せた

ブロリー「可愛い…」



彼の腕の中、ほんのりと優しく甘い香りがした。



こんな、純粋な幸せと
穏やかな日々をくれる彼に
私は感謝の気持ちを伝え切れているだろうか





彼の優しい心音が
私の脳で響き、幸せな時間を与えてくれていた。

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あいあい(プロフ) - natsukiさん» はい!! (2019年7月28日 0時) (レス) id: c40f153f59 (このIDを非表示/違反報告)
natsuki(プロフ) - あいあいさん» ありがとうございます!頑張ります! (2019年7月27日 12時) (レス) id: c1a5fb60e2 (このIDを非表示/違反報告)
あいあい(プロフ) - 更新楽しみにしてますね! (2019年7月25日 23時) (レス) id: c40f153f59 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:natsuki | 作成日時:2019年7月9日 15時

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