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「わ、綺麗やな立花の家。」
「そんな事ないよ、両親今主張中で私家に1人だから、ものが散らからないだけ。」
私一人で家でやることなんて、本当に食べてお風呂入って寝る。それくらいしかない。
一応両親に遠慮して私の部屋に招く。
お茶菓子を用意するため先に部屋へ行ってもらうことにする。
「ごめんお待たせ。こんなのしかないけど…」
と、暖かい麦茶とチョコのお菓子を出す。
「ええのにそんなん、気遣わしたな、おおきに」
本村くんはお茶を1口飲むと、こちらを向いて真剣な顔つきになった。
空気がしまり、少し緊張する。
「立花」
ベッドに腰かけている私は、クッションに座ってる本村くんより視線が高い。
そんな視線を縮めるように本村くんが距離を詰めた。
バチりと交わる視線に目を逸らせない。
緊張感ですぐに返事が出来ないでいると再び名前を呼ばれた。
「立花」
「っえっ…と、どうしたの?」
いつの間にかすぐ目の前まで距離を詰めていた本村くんは、私を見上げる。
真っ直ぐな目に、告白された中学の卒業式を思い出した。
けれどその時とは明らかに違う何かを感じた。
目の奥がすこし、怖い。
「立花、まだ、やっぱり俺、立花のこと好きみたいやねん。」
「……」
「あんときは自分に余裕なくてモテる立花に勝手に焦って、自己中に立花のことフッてもうたけど…、やから、また自分勝手にもう1回付き合えなんて言わへん。…………から、諦めるために1回だけ、」
ちゅ、と軽い音がした。
「なあ立花……………させて?」
どさり。
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狼 - めっちゃ面白いです!頑張ってください!お願いします! (2020年4月14日 14時) (レス) id: 58dc9d80b9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:橘 | 作成日時:2020年2月22日 15時