1 ページ1
「あんたは宮侑のことが好き。ええな?」
「いや、よくないよ。急に何?」
朝イチで親友の口から飛び出した驚きの言葉に驚きを隠せない。
宮兄弟の片割れに恋するとか無理でしょ。
そこらへんのファンにしばかれるわ。
「アンタは適当なモテる男に一生片思いしてたらええの。」
はぁ?
なにを言ってるんだこの子は。
「Aはモテるの、わかっとる?また適当に告白受けてホイホイOKして、「Aさんって何考えとるかわからん、ほんまに俺のこと好きなんかー?」ちゅーてフラれるパターン繰り返してたら高校生活の青春棒に振るで。」
「何それ誰マネ?似てないよ誰にも」
「中学卒業と共に告白してきて高校入学とともにAをフッた本村くんの真似やで。似とるやろ。」
手をVにして得意気に言ってくる親友の内山。
嫌味がすごい。
「内山のモノマネ似てた事って一回もないよね、絶妙に腹立つし」
仕方ないじゃない。
好きになってくれたからそれに応えたくて、付き合ってるうちにもしかしたら好きになれるかもな〜なんて気持ちでOKする。
したら今度は
何考えてるかわからない
俺のこと好き?
ってお決まりのセリフでフラれるのが、腹立つけれど内山の言う通り私のパターンになっている。
しかも私はモテてるわけじゃない。
「立花Aって、告白断らないらしいで」
なんていうテキトーな噂のせいでお試し感覚で告白してくる人が多いってだけだよきっと。
その事を以前内山に言ったらそれもあるかもしれない、と納得された。
けどそれとは別に私には人を惹き付ける魅力と顔面が備わってる。何を考えてるか分からないところも無駄に愛想を良くしないところも、全部アンタの魅力なの、と熱弁されたのを覚えている。
「私はAを心配してんねん。その性格と無駄に整ったその顔面、絶対いつか付け込まれて利用されんで。」
利用か〜。利用するのは全然してくれていいんだけどな。
私に出来ることならその人を満たすくらいしてあげたい。
「ありがとうね、でも大丈夫。私もやりたくない事はしてないし」
「A………うん、わかった。でもな、あんたは宮侑のことが好きなんよ。これは徹底していくで。」
「ええ………」
「早速放課後バレー部見学行くから。ええな?」
鬱だ
43人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
狼 - めっちゃ面白いです!頑張ってください!お願いします! (2020年4月14日 14時) (レス) id: 58dc9d80b9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:橘 | 作成日時:2020年2月22日 15時