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すぐ横にある街灯はチカチカと点滅し始め、ジーと耳障りな音を鳴らす。
こんな大雨なのに先生も傘をさしていなくて、いつも跳ねている髪がぺったりと頬に張り付いていた。
何を言うでもなく数秒見つめあって、暫くして先生が｢来い｣と言い私の腕を引っ張ったけれど、私はそれを強く拒んだ。
駄々をこねる子供のような私を見てなのか、小さなため息をつかれた。
だが先生的にはいつまでも雨に打たれているのは宜しくないらしく、強く引っ張られて橋の下に連れていかれた。
｢1週間って約束だったけど……ごめんなさい。もう終わりにしてください。気が変わったの｣
橋に打たれる雨と川の流れの音が酷くうるさい中、呟くように言った。
けれど先生は何も言わずにジャージを脱いで私の肩にかけた。
雨を吸い込んでびっしょり濡れているのに、何故かそれは暖かく私を包み込む。
冷えきっていた体や心にはまるでそれは毒のように染み渡っていく。
｢何かあったのか｣
｢何も無い。ただの気まぐれ。……昔から私はそうだったでしょう？ 忘れましたか｣
ジャージを肩から下ろすとそのまま義勇さんの胸に押し返した。
目も合わせなかったけど、きっとさっきのような怒ってもいなければ楽しくもない、そんな顔をしているのだろう。
｢でも何も言わずに出ていったのはごめんなさい。荷物は全部持ってきたので｣
｢……ごめん｣
何に対してたのか、いきなりそんなことを言い出した。
義勇さんの方へ視線を向ければ謝ったのは私の方なのになぜか悲しそうな顔をしていた。
｢お前にばかり押し付けて、ごめん｣
自分の目がカッと見開いたのがわかる。
申し訳なさそうな義勇さんに対して、なぜだか分からないが怒りが湧いたのだ。
短気な自分が大嫌いだ。
なんで怒るのか分からない自分も大嫌い。
それを、上手く口にすることが出来ない自分も大嫌い。
｢俺たちは、もう少し話し合うべきだった。だが俺がそれを拒んでいたから、お前は話せなかった。俺は卑怯だったんだ｣
義勇さんを自分だけのものにしようとしたのは私なのに。
｢お前や周りが何も言わないことを良いことに、自分勝手な感情でお前をそばにいさせた。到底許されることじゃない。でも、｣
｢もう、一緒にいるのやめよう。やめたい。辛いの……｣
堰き止めていた涙が溢れ零れだす。
義勇さんの話すことは最後まで聞きたい。
だけどこれ以上聞いていたら、私はまた子供みたいにわがままを重ねてしまう。
そしてまた義勇さんを困らせてしまう。
もう貴方に、そんな辛そうな顔をさせたくない。
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中川さおり(プロフ) - このシリーズが出来たらまた読みたいです (11月19日 11時) (
レス) @page47 id: 70c247066b (このIDを非表示/違反報告)
莉子 - 私も義勇さんが大好き過ぎるので、なかなか読むのが辛かったですが笑、こんな風に前世で繋いだからこその縁がある、というのがまた素敵で、感動しました（ ; ; ）次回作も首を長くしてお待ちしております！質問コーナー楽しみです！また読み直してみようと思います！ (2021年9月23日 11時) (レス) id: da7568f49d (このIDを非表示/違反報告)
莉子 - 完結おめでとうございます（ ; ; ）このお話が立ち上がってからのファンですが、本当に物語の世界観と作者様の文章が好きで、更新待ちしている時も何度も読み返してました。更新される度に嬉しくて舞い上がってすぐ読むくらい、大好きでした泣。本当にお疲れ様でした！ (2021年9月23日 11時) (レス) id: da7568f49d (このIDを非表示/違反報告)
義勇と杏寿郎推し - 完結おめでとう…。いい話だった‥。幸せに終わった、良かった。これでお別れだな。面白かった。これからも頑張ってくれ。冨岡義勇だ。 (2021年9月23日 7時) (レス) @page47 id: 2a3c5f3e4e (このIDを非表示/違反報告)
義勇と杏寿郎推し - このまま義勇さんと結婚して欲しい！夢主とどうなるか楽しみにしてます。 (2021年7月31日 8時) (レス) id: 2a3c5f3e4e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ももりんご | 作成日時：2021年1月27日 3時
