呪いの奈落の底へ ページ47
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乙骨が足止めをしている間、二人は急いで山を登った。
五条だけが知っている山縣村の場所へ。
『…!』
山縣村が見える山頂。
木漏れ日がなくなり、開けた場所に出たとき、
五条が以前に言っていた恐ろしい風景が目に入った。
何もない。
木も、草も、土もない、
ただ呪いの奈落の底へと続く空間。
『ここが、…山縣村……?』
五条「…そう。」
直径300mほど、ポッカリと空いた穴だけ。
『…五条、すまない。やっぱり、思い出せない。』
その空間をただ呆然と見つめるAはそう言った。
五条「とりあえずもっと近づいてみ________、」
五条がそう言った瞬間、
「「「領域展開」」」
『?!』
そう唱えられた声が、山縣村の底から響いた。
火山から湧き上がるマグマのように、呪いが吹き上がった。
五条「ッ!!」
『…』
Aはその場から動けなくなった。
その声が、あの人の声だったから。
五条「Aッ!!離れろッ!!!」
『ッ?!』
五条の声で、我に返ったときには遅く、
五条「Aッ!!」
マグマのような呪いの塊から出てきた黒い呪いの大きな手に、飲み込まれた。
『ッ…!』
五条に向かってAは手を伸ばした。
しかし無常にも、その手は届かず、
Aは奈落の底へ吸い込まれていった。
.
奈落の底で、Aは目を覚ます。
途中で気を失ったため、
どのぐらい落ちたのかわからず、
また自分が生きているのか、死んでいるのか
それすらもわからなくなっていた。
『…』
しかし無数に置いてある蝋燭のおかげで
自分の手足を見ることができた。
怪我はしていない。
大丈夫だ。
と、確認する。
しかし、上は真っ暗闇。
どこまで続いているのか、天井があるのかわからない。
それに領域展開内のはずだが、全く呪いを感じなかった。
その違和感と、今起きている状況の把握ができず、
Aはその場から動くことができなかった。
「…A」
『!』
あの声が聞こえた。
身震いをするような恐怖に襲われる。
会いたかったはずなのに…
何百年も会いたかったはずなのに…
今ある感情は、恐怖だった。
「やっと会えたね。」
暗闇から現れたのは、
Aと愛を誓いあったあの人だった。
唇を震わせるAは一筋の涙を流した。
過去の出来事が、フラッシュバックする。
『違う……誰だ、……お前は』
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弓月有無%(プロフ) - 初コメ失礼致します!オリジナルが多くある筈ですのに、凄く面白かったです。感涙しましたし本当に考えられていてすごかったです!!続編も続けて楽しませて頂きます!! (3月6日 18時) (レス) @page50 id: 1ab55170b6 (このIDを非表示/違反報告)
0000(プロフ) - 柚さん» はじめまして。お褒めの言葉をいただけて、とても嬉しいです。かなり不定期な更新となっていますが、これからも読んでいただけると幸いでございます。これからもよろしくおねがいします🙇♀️ (2022年4月14日 23時) (レス) id: 201e0a3aec (このIDを非表示/違反報告)
柚 - はじめまして!とても作品が面白かったので、今までで1番読み入ってしまいました!出来れば小説としてお金を払って読みたいぐらいです笑お話の細かい所まで考えられていて本当に凄いと思います..!作品を作るのは大変だと思いますがこれからも楽しみにして応援してます (2022年4月13日 23時) (レス) @page47 id: 05cc864757 (このIDを非表示/違反報告)
0000(プロフ) - ゆゆさん» ご指摘していただいた上に、このお話へのお褒めの言葉とお気遣い、本当にありがとうございます🙇♀️!歌姫先生の年齢は完全に私のミスですので、修正いたします。大変失礼いたしました。 (2022年4月4日 0時) (レス) id: da97561712 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ - ↓作者様にお願いがあるのですが,下のコメントを見た後は「ゆゆ」と言う名前でコメントされている二つのコメントを消して欲しいです。このような神作にこんなコメントを残したくありませんので,よろしくお願いします! (2022年4月3日 22時) (レス) id: 05967b49de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:。 | 作成日時:2022年2月14日 21時