煽りの天才はやはりクズ ページ40
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ほどなくして、京都駅についた。
日は沈み、すでに月がのぼっていた。
駅のロータリーへ向かうと、
顔に傷がある女性が立っている。
五条「やぁ。すまないね、歌姫」
五条を見るやいなや、
あからさまに苛ついている顔をした。
歌姫「アンタねぇ、いきなり夜中に車だせって何考えてんのよ…!こっちは今、帳が降りまくってて大変なんだから!」
カンカンに怒っている。
『…』
五条「いやでも歌姫はそんな忙しくないでしょ。
ほら、弱いし。」
歌姫「ふざけんな!!!忙しいわ!!!」
やっぱり、五条はクソだ。
五条「まぁまぁ、落ち着いて歌姫。
そもそも、その原因作ったのはこいつだし。」
と、指差される。
『…あ、……なんかすみません』と、
軽く言うと、「あ"ぁ?」と鬼の形相で私を見た。
「…」
『…?』
しかし、なにか思ったのか、
不思議そうな顔に変わった。
歌姫「…五条、この子は?」
五条「ん?新しく高専に入学した子だよ。
僕の秘蔵っ子。Aっていうんだ。
いろいろあって、名字はないんだけどさ、」
歌姫「…」
何を思っているのかわからないが、
私の顔をずっと見ていた。
五条「ま、とりあえず今日はあの旅館に連れて行ってほしい。頼むよ、歌姫。」
歌姫「なぜ、わざわざあの旅館にしたの?あんな山の中…。遅いから、京都高専に来ればいいのに」
五条「やだよぉ、あんな古臭いところ。
なにが出てくるかわかんないじゃーん」
ピキッ…
歌姫「私はね…!乙骨くんとAちゃんが夜遅くで危ないから、高専にすればいいのにって言ってんの!!!アンタのことなんて知らないわよ!」
五条「あ、大丈夫大丈夫。こいつら、歌姫より強いから。」
ピキッピキッ…
歌姫「あぁ"!ほんと、ムカつく!!!」
と、「あはは…」と苦笑いして見ている乙骨と、
よくわからない様子を見せられている私は、
ただ立ち尽くしていた。
でも、すぐに「さっさと乗りなさいよ!」と
怒りながらも乗せてくれた。
なんだかんだ、この人優しいんだと思う。
歌姫の隣に座った五条は、
運転中もずっと二人で言い合いをしていた。
『二人って…どういう関係?』
乙骨「五条先生が歌姫先生の後輩だった気がする。」
『…なるほど』
昔からそうやって五条は、
歌姫をからかっていたんだろう。
……だって、歌姫の反応可愛いもんな…。
『…』
乙骨「…?」
別に、何かを思ったわけじゃない。と、
そう自分に言い聞かせた。
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弓月有無%(プロフ) - 初コメ失礼致します!オリジナルが多くある筈ですのに、凄く面白かったです。感涙しましたし本当に考えられていてすごかったです!!続編も続けて楽しませて頂きます!! (3月6日 18時) (レス) @page50 id: 1ab55170b6 (このIDを非表示/違反報告)
0000(プロフ) - 柚さん» はじめまして。お褒めの言葉をいただけて、とても嬉しいです。かなり不定期な更新となっていますが、これからも読んでいただけると幸いでございます。これからもよろしくおねがいします🙇♀️ (2022年4月14日 23時) (レス) id: 201e0a3aec (このIDを非表示/違反報告)
柚 - はじめまして!とても作品が面白かったので、今までで1番読み入ってしまいました!出来れば小説としてお金を払って読みたいぐらいです笑お話の細かい所まで考えられていて本当に凄いと思います..!作品を作るのは大変だと思いますがこれからも楽しみにして応援してます (2022年4月13日 23時) (レス) @page47 id: 05cc864757 (このIDを非表示/違反報告)
0000(プロフ) - ゆゆさん» ご指摘していただいた上に、このお話へのお褒めの言葉とお気遣い、本当にありがとうございます🙇♀️!歌姫先生の年齢は完全に私のミスですので、修正いたします。大変失礼いたしました。 (2022年4月4日 0時) (レス) id: da97561712 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ - ↓作者様にお願いがあるのですが,下のコメントを見た後は「ゆゆ」と言う名前でコメントされている二つのコメントを消して欲しいです。このような神作にこんなコメントを残したくありませんので,よろしくお願いします! (2022年4月3日 22時) (レス) id: 05967b49de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:。 | 作成日時:2022年2月14日 21時