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NO SIDE



京都 山縣村




「向かってきているね」


洞窟内で男の声が響く。

円形に無数の蠟燭が灯され、
その中心に立っていた男は、
不気味に口角をあげた。



「可愛いAに…やっと…会える…!
あぁ、何年ぶりだろうか。本当に楽しみだ。」

その様子を見ていた蟲女は、男に話しかけた。



蟲女「…今更聞くのもおかしな話ですが、
どのような関係性だったのでしょうか?」

ギロリ…と男の目が蟲女を捕える。

蟲女「…」

蟲女はゴクリと唾を飲み込んだ。
地雷を踏んでしまえば、
自分も赤痣や青痣と同じ道を通ってしまう。

睨んでいた目はすぐに細くなり、
気付けば男は笑っていた。




「運命共同体だったんだ。
まぁ、少し僕の一方通行な愛だったけどね。」

蟲女「…」


蟲女は過去を知らない。

それにこの男が、何者であるのかわからない。
しかし、とある呪術師に殺されそうになったときに、
助けてくれた命の恩人だった。

その仮を返したいらしく、
今回の一件に加わっている。





「…僕とAは、一緒にならなきゃいけないんだ。

だから、みんなにお願いしてるんだよ。」




蟲女の後ろに数人の呪詛師が立っていた。




「僕とAの邪魔をする奴ら、全員殺してね?

特に五条悟と乙骨憂太、彼らは邪魔すぎる。

頼んだよ?先に振り込んであげてるんだからサ。」




すると、ピーーンと、とある音が脳内に響いた。

それはAが京都に入ってきたときの合図だった。


呪詛師たちは一斉に散る。

しかし、蟲女は行かなかった。




「行ってくれないの?」

蟲女「すぐに向かいます。ですが、1つ質問が」

「うん。いいよ。なに?」

蟲女「もし、成功したら、私は用済みになりますか?」


蟲女は問う。
その真意は、1つ。



「用済みにはなるけど、
……別に殺したりはしないから安心して!」

蟲女「……」

「特に、君は頑張ってくれてるから、
そんなひどいことはしないよ。」

蟲女「…ありがとうございます」


そう言うと、蟲女は自らの体を蟲に分身させ、
洞窟から羽音を立てて飛び出ていった。



洞窟に一人残った男は、つぶやく。


「さっさと行けよな…ほんと、
面倒くさいな、あの虫ケラ。」


夜空に飛び立つ無数の虫は、
月夜に照らされてキラキラと輝いていた。

煽りの天才はやはりクズ→←生き急いで、死に急ぐ



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弓月有無%(プロフ) - 初コメ失礼致します!オリジナルが多くある筈ですのに、凄く面白かったです。感涙しましたし本当に考えられていてすごかったです!!続編も続けて楽しませて頂きます!! (3月6日 18時) (レス) @page50 id: 1ab55170b6 (このIDを非表示/違反報告)
0000(プロフ) - 柚さん» はじめまして。お褒めの言葉をいただけて、とても嬉しいです。かなり不定期な更新となっていますが、これからも読んでいただけると幸いでございます。これからもよろしくおねがいします🙇‍♀️ (2022年4月14日 23時) (レス) id: 201e0a3aec (このIDを非表示/違反報告)
- はじめまして!とても作品が面白かったので、今までで1番読み入ってしまいました!出来れば小説としてお金を払って読みたいぐらいです笑お話の細かい所まで考えられていて本当に凄いと思います..!作品を作るのは大変だと思いますがこれからも楽しみにして応援してます (2022年4月13日 23時) (レス) @page47 id: 05cc864757 (このIDを非表示/違反報告)
0000(プロフ) - ゆゆさん» ご指摘していただいた上に、このお話へのお褒めの言葉とお気遣い、本当にありがとうございます🙇‍♀️!歌姫先生の年齢は完全に私のミスですので、修正いたします。大変失礼いたしました。 (2022年4月4日 0時) (レス) id: da97561712 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ - ↓作者様にお願いがあるのですが,下のコメントを見た後は「ゆゆ」と言う名前でコメントされている二つのコメントを消して欲しいです。このような神作にこんなコメントを残したくありませんので,よろしくお願いします! (2022年4月3日 22時) (レス) id: 05967b49de (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2022年2月14日 21時

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