きっと同じことを繰り返す ページ25
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五条悟
乙骨「…っ____________」
憂太の目から堪えていた涙がボタボタと落ちていた。
…愛で、人を呪った憂太だからこそ、
この悲しさに、耐えられなくなったんだろう。
Aの自分自身の純粋な愛情から生まれた呪い。
だから、呪いからできた身体でも人を呪うことはしない。
人に害を与えないのも理由がつく。
乙骨「先生……」
五条「…」
乙骨「初めて会ったとき“一人は寂しいよ”って、言ってくれましたよね。」
初めて会ったとき、
憂太は心を閉ざしていて、
一人は嫌いなのに、
死をすぐに受け入れていた。
乙骨「僕の寂しさとは比べ物にならないほど長い間、
ずっとAさんは一人ぼっちでした。
だから、僕たちで……
これ以上Aさんが、
寂しい思いをしないようにしてあげたいです。
せめて、僕たちが生きてる間だけでも、
いい思い出を作りたいんです。」
憂太は息を詰まらせながら、
嗚咽するように言葉にした。
だから、憂太の願いを叶えたかった。
それは俺自身の願いでもあったから。
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五条「……お前さ、これからどうすんの…?」
目覚めたAに聞いた。
ひどく疲れているようで、
目はぼーっとしていて、
声が小さく、呪力も微かにしか感じれなかった。
『………会いに行くよ。
全国に帳が下りたのも、あの人の仕業だから。』
五条「…」
神様は残酷だと思う。
それは一番聞きたくない答えだったから。
『ねぇ、五条。
山縣村の場所まで、案内してくれない…?』
これをAが望んだ以上、憂太の願いは叶えられない。
今、山縣村へ行けば、
愛する人と再会することができ、
何百年分の呪いが解呪される。
そして一番の元凶の男と共に、
Aは、この世から消えてしまうだろう。
五条「…本当に、行きたいのかよ」
行ってほしくない、連れて行きたくない、
という言葉を言うことはできなかった。
『…私が行けば、きっと全部終わると思う』
五条「……つまり、お前も終わるんだろ」
そういうと、Aの動きは止まった。
『……うん。やっとね。』
Aは笑った。
五条「…」
“最期ぐらい呪いの言葉吐けよ”
と、笑ったアイツの顔によく似てた。
やっぱり、お前とアイツはどこか似てるんだ。
俺はまた、きっと 同じことを繰り返す。
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弓月有無%(プロフ) - 初コメ失礼致します!オリジナルが多くある筈ですのに、凄く面白かったです。感涙しましたし本当に考えられていてすごかったです!!続編も続けて楽しませて頂きます!! (3月6日 18時) (レス) @page50 id: 1ab55170b6 (このIDを非表示/違反報告)
0000(プロフ) - 柚さん» はじめまして。お褒めの言葉をいただけて、とても嬉しいです。かなり不定期な更新となっていますが、これからも読んでいただけると幸いでございます。これからもよろしくおねがいします🙇♀️ (2022年4月14日 23時) (レス) id: 201e0a3aec (このIDを非表示/違反報告)
柚 - はじめまして!とても作品が面白かったので、今までで1番読み入ってしまいました!出来れば小説としてお金を払って読みたいぐらいです笑お話の細かい所まで考えられていて本当に凄いと思います..!作品を作るのは大変だと思いますがこれからも楽しみにして応援してます (2022年4月13日 23時) (レス) @page47 id: 05cc864757 (このIDを非表示/違反報告)
0000(プロフ) - ゆゆさん» ご指摘していただいた上に、このお話へのお褒めの言葉とお気遣い、本当にありがとうございます🙇♀️!歌姫先生の年齢は完全に私のミスですので、修正いたします。大変失礼いたしました。 (2022年4月4日 0時) (レス) id: da97561712 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ - ↓作者様にお願いがあるのですが,下のコメントを見た後は「ゆゆ」と言う名前でコメントされている二つのコメントを消して欲しいです。このような神作にこんなコメントを残したくありませんので,よろしくお願いします! (2022年4月3日 22時) (レス) id: 05967b49de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:。 | 作成日時:2022年2月14日 21時