愛が故に、呪いが故に ページ23
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あの後の記憶はほとんどない。
どんなふうに帰ったのかもわからない。
気付けば私は五条の家で寝ていた。
“A、迎えに来たよ。
時間がかかってごめんね。“
大好きだった声はもはや凶器に思える。
私だけが寝ていたはずのベッドから起き上がると、
五条「…起きた?」
『!』
五条が隣に寝ていたことに気づいた。
『な、なんでいるの…』
目隠しを外し、ボサボサの白髪頭。
長い前髪の隙間から、宝石のような目が私を見ている。
五条「心配だったから」
……たぶん私は泣いてた。
だから、心配をかけてしまったんだろう。
『…ごめん』
こればかりは謝るしかない。
でも、何故横で寝ているかの理由にはなってないけど…
『!』
謝ると、手首を握られて、倒された。
『…』
そのままギュっと、抱きしめられている。
五条「……憂太には話してたんだよな、過去。」
『…聞いた?』
五条「あぁ、全部聞いた。」
いつかは話すかもしれないと思っていたけど、
まさかこんな形で乙骨から五条に話が伝わるとは
思ってもいなかった。
五条「…俺ってそんなに、信頼できない?」
人類最強と言われる男とは思えないほどの、
弱々しい声だった。
『…話すタイミングがなかっただけ』
五条「…山縣村の話をしたときにするだろ、普通」
『……山縣村のことは本当に知らない。
過去とその村が繋がってるとは思えなくて…』
五条「…」
私の記憶の中に、山縣村という言葉は本当に存在しない。
でも、そんなこと過去を話さなかった理由にはならない。
『…!』
五条はもっと強く抱きしめて、
大きな手で私の頭を撫でた。
五条「……お前さ、」
『…』
五条「これからどうすんの…?」
きっと五条は覚悟してるんだと思う。
私が向こうの味方になろうと、敵になろうと、
どちらでも正常な判断ができるように。
『………会いに行くよ。』
五条「…」
『全国に帳が下りたのも、あの人の仕業だから。』
私は未だ彼のことを愛してる。
だから、私が止めなければ。
『ねぇ、五条。
山縣村の場所まで、案内してくれない…?』
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弓月有無%(プロフ) - 初コメ失礼致します!オリジナルが多くある筈ですのに、凄く面白かったです。感涙しましたし本当に考えられていてすごかったです!!続編も続けて楽しませて頂きます!! (3月6日 18時) (レス) @page50 id: 1ab55170b6 (このIDを非表示/違反報告)
0000(プロフ) - 柚さん» はじめまして。お褒めの言葉をいただけて、とても嬉しいです。かなり不定期な更新となっていますが、これからも読んでいただけると幸いでございます。これからもよろしくおねがいします🙇♀️ (2022年4月14日 23時) (レス) id: 201e0a3aec (このIDを非表示/違反報告)
柚 - はじめまして!とても作品が面白かったので、今までで1番読み入ってしまいました!出来れば小説としてお金を払って読みたいぐらいです笑お話の細かい所まで考えられていて本当に凄いと思います..!作品を作るのは大変だと思いますがこれからも楽しみにして応援してます (2022年4月13日 23時) (レス) @page47 id: 05cc864757 (このIDを非表示/違反報告)
0000(プロフ) - ゆゆさん» ご指摘していただいた上に、このお話へのお褒めの言葉とお気遣い、本当にありがとうございます🙇♀️!歌姫先生の年齢は完全に私のミスですので、修正いたします。大変失礼いたしました。 (2022年4月4日 0時) (レス) id: da97561712 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ - ↓作者様にお願いがあるのですが,下のコメントを見た後は「ゆゆ」と言う名前でコメントされている二つのコメントを消して欲しいです。このような神作にこんなコメントを残したくありませんので,よろしくお願いします! (2022年4月3日 22時) (レス) id: 05967b49de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:。 | 作成日時:2022年2月14日 21時