どうも特級呪霊です。2

経験値は無意識のうちに発揮する ページ19

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高専に戻る途中で目が覚めた。
後部座席に座らされていて、隣には乙骨がいた。




久しぶりに呪力を使いすぎた。

やっぱり無茶はするもんじゃないなって思う。



…

乙骨「…起きた？」

ボーッと外を眺めていると、
乙骨が顔を覗き込んできた。



五条「A、呪力消費やばいっしょ？」

『…使いすぎた。でも、7割は戻ってる。』

五条「さすが特級呪霊だね」

「怖い怖い」と五条は助手席で笑っていた。



乙骨「Aさんの術式は、
無効化されてたのにどうやって倒したの？」

乙骨はあの赤痣と青痣の術式を見ているし、
目の前で術式が無効化されていた所を見ていた。

『領域展開した。』

五条「…」

乙骨「…？」

五条の意識がちょっと変わったけど、
気にせずに私は話し続けた。






『…奴らが無効化しているのは術式のみ。
それに私の術式を使えなくしてたわけじゃない。
他の呪霊やモノには使えてた。』


乙骨「術式が無効化されてるのに相手に
領域展開ってできるんだ…」


『私もわからなかったから、そこは賭けだった。

でもあの呪霊はそこまで強くないから、
“私の呪力が当たらなければ”無効化されないでしょ
って思ってね。』


乙骨「じゃあ当てずに…？」


『そう。元々、私の領域展開ってそんなかんじでさ、』


乙骨「…」


『…私の領域展開は、空間を石化させる。まぁ本人たちは動けないから石化されたと思い込むだろうけど。』






…五条に領域展開のことを話したのは初めてだった。






五条「あれだけの呪霊と人間がいる帳の中で、

領域展開して呪霊のみを祓うことなんて無理だろ。

普通、人間は領域内に入れば、

どれだけ避けたとしても微力の術式の効果で死ぬはずだ。」




五条相手に領域展開は使ったことなかった。





『…だから、領域展開は一瞬だけ。

体感で言うと、1〜2秒かな。

その時間なら、

微かな呪力で心臓が石化されて一時的に機能停止しても

解除後にはまた自主的に運動し始めると思ったんだよね。


とりあえず領域内であの2体の首を取って祓って、

領域を閉じて、

人間の機能が作動していない間に、

呪霊を再石化、破壊。


……まぁ、こんなかんじ。』




私自身もここまで考えながらやったわけではないけど、

咄嗟にここまで動けたのは、

何百年と連戦を重ねている私の経験値のおかげだろう。

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