どうも特級呪霊です。2

5分の5がワケあり ページ18

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NO SIDE





パンダ「大丈夫だったぞ〜」

棘「しゃけ〜」

四人は都庁内を見回った後、下りてくると既に伊地知さんや補助監督による現場検証が行われていた。

五条「お！おかえり」

と、手をあげる五条。
五条はベンチに腰掛けており、
隣に座っているAは五条の肩で
スヤスヤと眠っていた。

五条「…A、随分と呪力消費したからすぐ寝たよ。」

乙骨「…」

真希「…」

真希は、ｽｰｯ…ｽｰｯ…と胸を膨らませて寝ている彼女と、
大量の呪霊の死骸の真ん中に立っていた彼女が
同一人物であることが受け入れられない様子であった。



真希「…Aって、何者なんだ。」

五条「……さぁ何者だろうね」

真希「はぁ…？…何を無責任に言ってんだ。お前が連れてきたんだろう？」

五条「うん。…だからね、真希。
僕がこの子が何者か探してあげようと思ってるんだよね。」

真希「…」

五条「A、ずっと迷子みたいだからさ」




その言葉が乙骨の胸に突き刺さる。

乙骨「(……ずっと迷子…か………)」




どこにも居場所がなく、一人で生きていくことの孤独さは計り知れない。



乙骨「僕も、探します。」

五条「…」

乙骨「Aさんの、帰るべき場所を」



帰るべき場所はきっと彼女の解呪が関わっているだろうと、
乙骨はそう思っていた。


真希「…こいつは…」

と、真希が何かを言おうとすると、パンダが止めた。

パンダ「…まぁ別にいいじゃん、真希。
俺みたいな呪骸もいるし、棘も真希も、…憂太も、
みんないろんな意味でワケありだし、
だから別にAだけがヤバいってわけでもないじゃん？」

「ちょっとさっきのは確かに怖かったけど」と、付け加えるパンダ。パンダは真希の気持ちを汲み取っていたからこそ、フォローした。




五条「…悪いけど、有無を言わさずみんなには色々手伝ってもらうよ。」

パンダ「いいよ、別にそのつもりだったし」

棘「しゃけ」

乙骨「もちろん、手伝います。」

真希「…」

真希は答えなかった。
まだ、心の整理がついていないらしい。

五条も無理に返事を求めなかった。




五条「…ま、とりあえず一旦高専に戻るか」


Aをひょいとお姫様抱っこした五条。

伊地知の車に乗せて、そのまま都庁を後にした。

経験値は無意識のうちに発揮する→←恐怖は人を止めることができる

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