どうも特級呪霊です。2

本命と本物と偽物 ページ16

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乙骨憂太







外で30分ほど待ってもAさんは出てこないし、


帳は上がらない。








パンダ「なぁ。憂太、アイツどんだけ強いんだ？」

パンダくんに聞かれたけど、正直僕もわからないんだ。


乙骨「…攻撃力はわかんないけど、動きはかなり早いと思う。」

パンダ「あのとき、確かに反射神経やばかったもんな」

乙骨「うん……」

真希「…でも、わざわざこの中で一番強いAだけを帳に入れるのも変だよな。」

棘「しゃけ」




もしかしたら、この前の奴等が_________

Aさんをおびき寄せるために…？




いや、考えすぎか…
　




五条「そっちはどんなかんじー？」



と、先生が来た。



真希「おっせーよ」

五条「めんご、めんご。
色々調べてたらさ、
どうやら全国各地で帳が下りてるみたいで」

「「？！？！」」

五条「恐らく何箇所かはダミーっぽくて、
何箇所かは本物らしい。」

乙骨「じゃあこの帳は…？」

五条「本物だね。でも、本命じゃない。」



ブヨブヨとした、帳に手を当てる先生。



真希「これが本命じゃねーのかよ」

五条「違うね。
本命は、恐らく別の場所だ。
てか、アイツは？」

パンダ「Aだけは帳の中入れたぞ」

棘「しゃけ…」

五条「……まじ？」

真希パンダ「マジ」




アチャーと、頭に手を当てる。




五条「……マジか」

乙骨「五条先生、、」

もしかして…と、言いかけると

五条「ま、大丈夫でしょ。アイツ、強いし。」

と、言った。



心配でたまらない。

この前の一件もある。

Aさんだって、

どうしようもないときだってあるんだ。







すると、


ﾕﾙﾕﾙﾕﾙﾕﾙ……と、帳が消えた。



「！！！！」

パンダ「わっ、人多すぎ！」

真希「くっそ、人だらけじゃねぇか！」

棘「めんたいこ…！」


中から大勢の人たちが逃げ出してきた。



その間をかき分けて、Aさんの元へ向かった。きっと人々が走ってきた方向にAさんがいるんだと思う。
　



逆流に逆らうのは大変だけど、

やっと、彼女が見えた。






乙骨「Aさ……」



『…』





こっちを見たAさんの周りには、無数の呪霊の屍。

呪霊の血か、彼女の血かはわからなかったが、

足元にはどす黒い血溜まりができていた。




ｽﾞｩｧｧｧﾝ……

乙骨「！！！？」


そして、この呪力はなんだ…？

重たく、肩にのしかかってくるような感じがして、

まるで僕が知ってるAさんじゃなかった。

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