すべてを忘れてしまうとき ページ32
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それから数日間、私の前に五条悟は現れなかった。
どうやら割と長めの出張中らしい。
だから私はすることもないので。
皆が特訓してるのを見学したり、
花壇の花に水をやったりしていた。
真希「こいつは行かねぇの?」
伊地知「え、えぇ、Aさんには個別の要件が」
みんなに任務が入っても、
伊地知さんは私のことを知っていたから、
絶対に高専から出すことはしなかった。
皆が外に出たら、本当にすることがなくなる。
だから、過去の呪霊の文献を読み漁るばかりだった。
いつか自分の文献が出てくるのではないかと思ってたけど、なかなか出てこない。…あれ、私一応特級扱いだったよね?と不安になるぐらい出てこなかった。
七海「何をされてるんですか、こんなところで」
図書室で七海と遭遇した。
『何って……なんとなく文献読んでただけ』
七海「なんとなく?」
『皆が任務に行ったから、暇で…仕方なく。
でも、読みたいものがなくて色々と探してた。』
そういうと、「そうですか」と納得していた。
七海「お探しの文献はこれですか?」
と、1つ色あせた書物を私に見せた。
『それは?』
七海「貴方のことが書かれている文献です」
『??!』
七海「私も探すのに苦労しました。奥底に眠ってたので」
『どうして七海が探してたの?』
七海「こちらにも色々事情があります。
貴方に聞いて良いことと悪いことがあるでしょうから。」
七海は断定的な言い方を避ける。
言えないのか、言いたくないのか、わからないけど。
『私もそれ、読んでいい?』
七海「読むも何も貴方のことが書いてあるので、
読んでも無駄だと思いますが……まぁ」
と、私に書物を手渡した。
『結構、忘れてることが多くて。』
七海「忘れてること?」
『私の生まれた村の場所とか、
誰にいつ殺されたとか、どこで生き返ったかとか、
………もう何百年も生きてるから、
誤差範囲でしか覚えてないことが多くて。』
七海「脳のキャパは、限界があるんですね。」
『そうなのよ。そこは、一般人と変わらないみたい。』
私は、好きだった人の声を思い出せない。
顔も、声も、日に日に薄れていって、
いつかは全ての記憶が消えるだろう。
だから、忘れていくのが怖い。
でもその時が私の呪いが解けるときだと思ってる。
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ツバメ - マキと彼女の手合わせ時乙骨達以外にもし甚爾が高専の講師やってこれを観てたら乙骨は兎も角マキの様に手加減されてるのに気づくだろうし訳ありの呪霊程度にも気付くかもしれないですね! 甚爾出演無理ですかね? (2022年2月17日 18時) (レス) @page30 id: e61b67cd9c (このIDを非表示/違反報告)
0000(プロフ) - みくさん» ありがとうございます。ご期待に答えれるよう努めていきますので、これからもよろしくおねがいします (2022年2月12日 0時) (レス) @page33 id: 62510eceb8 (このIDを非表示/違反報告)
みく(プロフ) - 意味で占ツクで見てきた中でいっちゃんドストライクです。更新待ってます❤️ (2022年2月11日 21時) (レス) @page31 id: e565c66f21 (このIDを非表示/違反報告)
0000(プロフ) - Umiさん» 最高のお言葉をありがとうございます (2022年2月11日 8時) (レス) id: 62510eceb8 (このIDを非表示/違反報告)
0000(プロフ) - nanaさん» ありがとうございます!夢主かっこいいですよね。これからもっとかっこよくなるのでお楽しみに (2022年2月11日 8時) (レス) @page30 id: 62510eceb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:0000 | 作成日時:2022年1月31日 21時